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【新潮流界隈マーケティング<第7回>】【KEEN寄稿】

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【新潮流界隈マーケティング<第7回>】【KEEN寄稿】

 トレンドは界隈から先に動く
ー発話データで「兆し」を読むー

 KEEN株式会社が提供する界隈マーケティング支援サービス「KEEN界隈DB」は、「どの界隈で、どのような文脈でブランドが語られているかを理解し、最適なコミュニケーション施策へとつなげる」をコンセプトに、SNS時代の美容マーケティングにおける新しい情報構造を読み解くための視点と手段を提供している。本連載では、「界隈」を単位に動く美容消費の実態を、具体的な事例とともに考えていきたい。
 美容のトレンドは、ブランドの発信より先に、SNS上の発話の中で立ち上がる。当社は先日、X上の美容の発話約23万件を界隈別に分析した「SNSから予測する2026年秋冬 美容トレンド」を公開した。
 最も動いたのはメイクの「低彩度」だ。パーソナルカラーを語る界隈での言及量は今夏に前年秋の4・1倍となり、9月の言及率は昨秋の約16倍に達した。だが兆しは、量が伸びる前に三つの形で現れていた。
 第一に、反応の偏り。9月、低彩度を含む発話は投稿数の1・1%なのに、表示回数の6・0%を占めた。
 ここで、リリースでは書けなかった偏りの中身をこの連載の読者にだけ記しておきたい。発信者を調べると、低彩度の表示回数のおよそ3分の1は、PR表記がなくフォロワー5000人未満の少数のアカウントが、大手クリエイターの投稿に引用で乗る形で生み出していた。他の秋冬トレンドキーワードでは数%以下である。トレンドは本物だが、数字は額面どおりには読めない。
 第二に順序。昨年12月から今年1月に、低彩度コスメをまとめた個人の美容アカウントの投稿が数千いいねを集めていた。2~3月には韓国ブランドが新作のPR投稿で「低彩度」を売り文句に使い始める。急伸の半年以上前に、企業が個人の言葉を借りていたのだ。
 第三に、現場の言葉になったか。美容クリエイター24名中13名が自分の投稿で使っていた。実務への示唆は三つある。①反応の偏りを見る。ただし、偏りを作っているのが誰かも確かめる。②企業が個人の言葉を使い始めた時点を記録する。量が伸びるまでが仕込みの期間だ。③季節の波形に合わせる。血色やパープル系の言及は昨冬12~2月に年間平均より2~6割多かった。冬型を秋に出しても波はまだ来ない。
 予測は外れることもある。だが界隈単位で測れば、予測と実測の差を検証し精度を上げられる。トレンドを待つのではなく、波の初動に乗りにいく。その物差しがSNS上の界隈の発話データである。
(KEEN代表・小倉一葉)

(詳細は「日用品化粧品新聞」10月19日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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