マツキヨ・商品部化粧品課リーダーに聞くスキンケア市場への戦略
国内外に向け、常に先を見据えたトレンドを発信する「マツモトキヨシグループ」。〝ブルーオーシャン戦略〟を掲げ、ユーザーの潜在的ニーズを汲み取りながら独自性を生み出し差別化を図り続ける同社のスキンケアに対する考え方について、マツモトキヨシホールディングス営業統括本部商品部化粧品課・大友庸平リーダーに話を聞いた。
シワ改善などの効果効能をうたった市場は更なる活性化へ
──国内のスキンケアカテゴリーにおける、昨今の動向について教えてください。
「カウンセリング化粧品では『ワンバイコーセー ザ リンクレス』を始めとする、シワ改善などの効果効能をうたえる商品は引き続き好調です。この市場は更に活性化されてまだまだ伸びていくだろうと期待しています」
「また、形状でいうとクリーミーな炭酸泡の『ソフィーナｉｐベースケアエッセンス』のように新たな価値を提供するアイテムも人気です。この商品は、発売が２０１６年ということもあり、最近ではレフィルの利用者も増えています。レフィルは当社のカウンセリング化粧品の売り上げ１位にもなり、継続性が高くリピータ―が多いのも特長です」
──セルフ化粧品ではいかがですか。
「セルフでは『オバジＣ25セラムネオ』が非常に好調です。国内だけでなく、インバウンドでも人気です。この他「ビオレおうちでマッサージ洗顔ジェル」も発売当初から継続的に売れていますし、デリケートスキンケア商品も人気で「キュレル」や「ミノン」が好調です」
──メーカーと取り組んでいる専売品も好調だとか。
「特にフェイスマスクの『メラノＣＣ集中対策マスク』や『ルルルン』などは好調です。オリジナルデザインと香りが特長の『サンカットプロテクトＵＶスプレー』や肌を綺麗に見せるという意味では『インテグレートフラットスキンメーカー』『インテグレートファストスキンメーカー』も人気があります。また、夏季限定で４月23日に発売した『ＤＥＷジェリーローション』も話題となっており、良い反響をいただいております」
──独自性が高く他にない商品は、強い差別化につながりますね。
「そうですね。価値観が多様化する中、専売品で市場を活性化しながら、マツキヨに来る価値というものを提供し続けることがとても重要だと考えています。これを継続していくことに大きな意味があります」
大事なのは変化に対応できる「独自性」
──店頭でのスタッフの方の対応も要になってきます。
「当社では化粧品担当者の育成に注力しています。医薬品を担当した後、登録販売者の資格を取得してからでないと、化粧品担当の制服が着られません。その間には制度品メーカー４社のセミナーの受講とともに様々な研修などを受けながら、キャリアアップを図っていくため、高いレベルでの接客が可能となります」
──インバウンド市場傾向はどうでしょう。
「特に売れているのは『ＳＫ-ＩＩ』です。今年の干支をモチーフにしたオリジナルデザインの限定セットを発売したところ、爆発的な大ヒットとなりすぐに完売しました。また『リバイシス』や『アネッサ』『トーンアップＵＶ』の他、シワ改善商品などは引き続き売れています。最近は、悩みやご希望にもよりますが、おすすめできる商品が日本人も海外の方も一緒になってきたと感じています」
──訪日外国人への訴求施策を教えてください。
「買い物は店舗に来る前から始まっているため、日本に来る前からマツキヨで買い物をしてもらうために、ウィチャットやウェイボーなどで商品情報の発信やクーポンの配布など仕掛けを展開しています」
──越境ＥＣの展開についてはいかがですか。
「商品の売れ方に変化はあるものの、好調です。以前はインバウンドで売れたものが越境ＥＣで売れるという循環だったのが、一昨年前くらいから、越境ＥＣで売れたものがインバウンドで売れるということもあり、ここも、面白くなっていくと思います。強化していくべきチャネルだと考えています」
──今後の方向性を教えて下さい。
「大事なのは、商品の販売動向に変化があった時に素早くその理由をキャッチして、次につなげるかなんです。最終的にはやはり独自性なんでしょうね。今後も、様々なメーカー様との取り組みを展開しながら、Ｗｉｎ-Ｗｉｎな関係を構築していきたいと考えています。これが次につながる理由だと思っています」
