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【ユニ・チャームら日用品、資材メーカー】GHG排出量算定の全体効率化へ

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【ユニ・チャームら日用品、資材メーカー】GHG排出量算定の全体効率化へ
各社共同で実証実験開始

 ユニ・チャームの呼び掛けにより参画した花王、大王製紙、ライオンの日用品メーカー及び資材メーカー各社は、国内の日用品業界では初の試みとなる、脱炭素社会に向けたGHG(温室効果ガス)排出量算定の効率化のため「一次データ(算定主体の事業者が自らの責任で収集する自社測定データ)流通基盤」の共同実証実験を開始する。算定に必要な一次データを共通のプラットフォーム上で流通させ、産業界全体での効率化を図りたい考えだ。

 実験開始に伴い各社は927日、東京都港区の東京虎ノ門グローバルスクエアコンファレンスで、日用品メーカー、資材メーカーの担当者、システムを提供するNTTコミュニケーションズ、事務局を担当するデロイトトーマツコンサルティングも加わり、タウンホールミーティングを実施、一般参加者への説明に加え、メディア関係者との質疑応答を行った。

 冒頭で環境省、経済産業省の担当者がそれぞれの政策、動向を説明したのに続き、日用品メーカーの担当者も加わりトークセッションを実施。GHG可視化においてサプライチェーンが連携していくためのポイントなどについて、意見を交わした。

 次いで、ユニ・チャームの上田健次ESG本部上席執行役員が実証実験の概要について紹介した。実験は、データの授受をデータスペースプラットフォームを介して行うことで、データを提供する側が個別に対応することなく、受信する側が必要な情報を受け取れるかどうかを確認し、業務効率の状況を検証する。また、従来の中央集権的データベースと異なり、流通基盤管理者ヘのデータ提供が不要で、データ提供企業と指定された開示先にのみ保存される「分散型」の仕組みを採用しており、安全なデータ流通の実用性も検証する。

 「GHGを削減していくために必要な一次データの収集には個々の企業が多大な労力を要しており、企業の枠を超えて取り組まねば削減への活動は困難。柔軟で簡便、信頼性の高い仕組みであるデータスペースで日用品業界の課題を解決するデータ連携ができるのではないかと考えた。一次データの流通でGX(グリーントランスフォーメーション)を実現する、競合や業界の垣根を超えた初の共同実証と言える。更に日本発でアジアを始めとした海外展開も目指し、世界各国のデータスペースとの連携で基盤となることも目指していく」(上田上席執行役員)という。

 この取り組みによりコミュニケーションが効率化され、収集にかかる工数が削減できる他、数値の信頼性・精度が向上、排出量削減へのアプローチが検討できるようになることが期待される。

 今年12月までに実証を完了し、効果や課題を検証した上で次に向けた取り組みを検討し、2025年以降に実証成果を公表し、社会実装への準備を進めていく計画としている。

 ▽実証実験への参画企業=花王、大王製紙、ユニ・チャーム、ライオン、エム・エーライフマテリアルズ、JNC、住友精化、TOPPAN、日本触媒、三菱ケミカルグループ、レンゴー、NTTコミュニケーションズ、デロイトトーマツコンサルティング



(詳細は「日用品化粧品新聞」10月7日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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