【クラシエ】加齢性”ゆがみ毛”に着目した研究成果技術説明
クラシエは、直毛と異なる、うねり、くせ、広がりがある毛髪“ゆがみ毛”が、加齢に伴い弾性率が減少することでうねりなどの形状だけでなく、物理特性にも変化を生み、体幹が弱くなってしまうことを明らかにした。これに伴い4月21日、東京都港区の本社でマスコミ各社を招き、ビューティケア研究所の布施直也主任研究員を始め研究担当者が技術広報を行った。
同社はこれまでも直毛とゆがみ毛を比較した形状や内部の観察、加えてゆがみ毛を扱いやすくするためのソリューションや商品を開発してきたが、ゆがみ毛のケアは完全に解決したわけではなく、加齢に伴う変化についても未解明な部分が多いという。そこでベンチマーク調査を行った結果、ゆがみ毛を持つ人は年齢を重ねることで、ゆがみだけでなく、髪が思うようにまとまらない“気まぐれ髪”に変化しているのを実感していることがわかった。
研究では、2014年に採取した当時35~44歳の女性5人の直毛及びゆがみ毛、同じ5人から24年に採取した直毛とゆがみ毛を用いて、一定の荷重と周波数での条件で動的粘弾性を測定した。その結果、24年に採取したゆがみ毛の方が加齢による弾性率の低下が示唆された。この物理特性の変化により、髪の体幹が弱くなっていることを反映しており、ゆがみ毛を保有する人はより“気まぐれ髪”を実感していると考えられる。
髪の体幹が弱くなったのは、毛髪の構成成分の約80%を占めるタンパク質が一因と考え、特に髪を形づくる化学結合に着目。よく知られる水素結合は、水分により結合が切れて髪の形状に変化をもたらすことが知られているが、今回の研究では水素結合より強度が高いイオン結合とジスルフィド結合を取り上げ、イオン結合が切れていることを反映するカルボニル化タンパク質をイメージングし、加齢によりゆがみ毛のカルボニル化タンパク質が増加していることを確認した。
(詳細は「日用品化粧品新聞」4月28日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)