日本香堂・小仲社長が方針説明、「香り」の新たな接点創出

「製造・販売・広告」で一歩先の価値を提案
日本香堂は10月5日、東京都中央区の銀座本社で、7月に就任した小仲正重社長、土屋義幸副会長出席による経営方針説明会を行った。小仲社長は、供養・線香に関する伝統的な事業基盤を維持しつつ、香りをウェルビーイングやエンターテインメント、機能性、また、香水、海外展開などへ広げることを説明。「香りで世界を魅了する総合フレグランスカンパ二―」を目指し「製造・販売・広告」の連携強化と新市場創出を重視する方針を明確に表した。テレビ業界での長年の経験生かす
1973年生まれの小仲社長は、日本香堂ホールディングスの小仲正克社長の弟にあたり、前職で約30年間、フジテレビの社員として主にバラエティー番組の制作を担当。ディレクター、プロデューサー、編成部門などで要職を歴任してきた。
異業種からの社長就任ということもあり、入社後約半年でさまざまな学びと発見があり、今後はそれに加えて外部から見た視点を生かし、社員と共に新たなビジネスの方向性をつくっていくとし、成長戦略として「伝統を継承しながら進化させ、国内にとどまらず世界を視野に入れた総合的な香り関連企業を目指す」という。
「製造・販売・広告」に関しては、売り場や顧客に近い営業部門は把握するニーズや情報を製造・開発部門に密に伝え、製造・開発部門は現状のニーズだけでなく、一歩先の顧客価値を生み出す。更に、品質や売り場展開の強みを顧客へ届け切れていない商品があるとの認識から、広告・宣伝活動を一体化させる戦略を描く。
また、厳選された高品質原料、豊富な香りの素材、高度な自社工場ネットワーク、国内屈指の調香師と製造技術者の存在を自社の強みとして強調。調香師の処方を忠実に再現できる製造技術は、他社が短期間で模倣しにくい競争力になるとの認識を示した。
若年層の獲得にさまざまなアプローチ。IPの積極活用も
また、若年層を含め、癒やし、リラックス、ウェルビーイングへの関心が高まっていることを成長機会と認識。供養文化については、従来の習慣を守るだけでなく、祈りや感謝が心理的負担の軽減や前向きな感情につながるという観点を伝え、若年層のエントリーユーザーへ新たな切り口として訴求する考えを説明した。
更に、成長戦略に位置付ける一つにIPやエンターテインメントとのコラボを挙げた。「ちいかわ」「マツケンサンバ」、また、調香師役の内田有紀が主役を演じたフジテレビのドラマ「ラストノート」に関連した香水はどれも完売。「香りや線香との接点がない人にも初めて商品に触れてもらう機会をつくれた」とする一方、コラボレーションが一過性の話題に終わらないよう、継続的な顧客接点へつなげる必要性にも触れた。
ホームフレグランス市場について、調査会社の見通しとして年率5%程度の成長に言及。「KОDU」は和の香りを生かした入浴剤で、大手ドラッグストアの約1600店舗で定番採用されたことを明かした。従来の入浴剤市場は競争が激しい一方、お香由来の香りや使用後の香りの持続感が差別化につながることをポイントに挙げた。
(詳細は「日用品化粧品新聞」10月12日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)




