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【衣料用洗剤】環境対応で支持拡大/洗浄力など高まる機能

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【衣料用洗剤】環境対応で支持拡大/洗浄力など高まる機能

 日用品市場の中でも衣料用洗剤はこれまで、環境問題と大きな関わりを持ちながら歩み、品質や機能の向上につなげてきた経緯がある。そして現在、メーカーの上位寡占化が進む一方、更に環境対応に注力した商品開発が行われており、そうした製品が大手3社で主流となってきた。それぞれの施策を追った。
 衣料用洗剤の市場規模は、経産省による2020年の出荷統計で約1900億円。外出機会の減少で微減傾向にあるが、関連分野の中では最大のカテゴリーと位置付けられ、その動向が他に及ぼす影響も大きいことで知られる。大きく分けて液体85%、粉末15%の割合で、近年は高濃度液体への移行が進んできている。

環境対応に注力した商品開発が大手3社で主流に

 そうした中で最大手の花王は、濃縮型液体洗剤の主力ブランド「アタックZERO」を改良。食器用洗剤の「キュキュットClear泡スプレー」と共に、本体ボトルに100%再生PETを採用して発売する。すでに一部海外では導入している試みだが、これを皮切りに使用量の多い国内日用品も2025年までに全て100%再生PETに切り替える方針だ。洗浄力にも定評のある商品ながら、今回は繊維表面を親水化することで皮脂の汚れが落ちやすくなる技術を進化させ、従来にも増して洗濯中の汚れ戻りが起きにくいようにした。元来うたってきた「ゼロ洗浄」「アタック史上最高の洗浄力」をより強化して、ここに魅力を感じるユーザーの取り込みも加速させる。
 100%リサイクルPETは、ライオンも「トップスーパーNANOXニオイ専用」の本体部分に採用した製品を3月から発売している。特有とも言える透明ボトルのため残量が見えて分かりやすい、詰め替えやすいという利点もある。機能面でも、高濃度処方で洗剤中の洗濯成分を約7割にし、更にプレミアム抗菌成分も最大濃度配合した。キーワードは「無臭化洗浄」ということで、高い洗浄力と消臭・防臭効果を併せ持つ商品として、強力に拡販していく考えだ。
 P&Gジャパンは、昨年秋に「アリエール」を「アリエールバイオサイエンス」にリニューアルし、皮脂汚れの洗浄力を強化したのに続き、今年3月には「アリエールプロクリーン」を発売した。襟・袖などで漂白剤を超える洗浄力を発揮する液体のジェルと、食べ物汚れに対し同様の効果を持つジェルボールをそろえる。ジェルは、最先端の洗浄成分を新配合し効率良く皮脂汚れを洗浄すると共に、全体の洗浄成分のレベルを最高濃度まで高めた。ジェルボールも、洗浄成分を高配合し、汚れを一発洗浄する。各ブランドのジェルボールは、水の配合量が同社の液体洗剤と比べて85%抑えられており、更に年間2500ℓの節水、洗濯時の消費電力も36%削減できることへの理解を深めるなど、環境対応も図っている。

(詳細は「日用品化粧品新聞」4月19日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)

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