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【注目企業/アース製薬】入浴剤「BARTH」の展開スタート、リブランディングで価値創造

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【注目企業/アース製薬】入浴剤「BARTH」の展開スタート、リブランディングで価値創造

 リブランディングで価値創造


 中性重炭酸入浴剤市場を構築した存在と言えるナイトウエルネスブランド「BARTH」。現在のトレンドでもある「睡眠」需要が店頭に反映されるよりも以前から、入浴剤に「睡眠」の価値を提唱し、生活者の潜在需要を顕在化してきた。今年3月には、TWOからアース製薬にブランド譲渡され、新たなスタートを切っている。ベンチャー発の商材が、高価格ゾーンを確立した要因は、確かな品質に加え、デジタル領域のプロモーションに優位性があったからに他ならない。アース製薬は、どのような成長ラインを描くのか。新設されたBARTH事業部の能宗智和事業部長に業界の反応や育成へのビジョンを聞いた。

  ――「BARTH」のどういった部分に魅力を感じ、譲受に至ったのでしょうか。入浴剤は御社でもグループ企業も含め高いシェアがありますが。
 「かねてより入浴剤の競合として注目しており『BARTH』の世界観やブランドの強さ、SNSなどのプロモーションのうまさ、また、価格の安定感といった販売手法などを取り入れたい、アース製薬として新たな価値を構築していきたいという強い思いも持っていました。入浴剤市場は、コロナ禍で大きく伸長し、最近は反動で落ち着きが見られています。それは『BARTH』も同様です。重炭酸入浴剤の類似品が増えるなど競争も激しくなっていますが、当社の強みを生かしながら、更にブランドの輝きを増していきたいと思っています」
 ――アース製薬の特色を『BARTH』にも反映させていく考えですか。
 「アース製薬は、商品力に加え、優れた営業力を強みにこれまで成長してきました。『BARTH』は、アース製薬と同様の戦略を取ることは今のところ考えていません。新規で事業部をつくったのはそのためです。もともと『BARTH』の手法や世界観はそのまま踏襲する考えでしたし、開発、生産、販売などは、事業部で独自に行っています。事業部には、TWOで『BARTH』に携わっていた17人が転籍し、活動を共にしています」
 ――とはいえ、今後はアース製薬の強みを生かした展開は見られるのでしょうね。
 「具体的なことはこれからですが“ナイトルーティン”というコンセプトを崩さないものであれば、アース製薬の研究開発力を組み合わせて商品化する可能性はあります。アースグループとしてシナジーを発揮していくことも、ブランド譲受した理由であることは間違いありません」 

ワンランク上の〝ナイトルーティン〟提供

 ――TWOでは「睡眠投資」や、疲れを残さないことで良いパフォーマンスを発揮するという観点でのアスリート支援など、SNSを含め多角的なプロモーションが目立ちました。
 「生活者とのコミュニケーションを重視し、話題を継続的に喚起してきたプロモーション力は見習うべきポイントです。6月からはSNS上で『#寝子になりたい』と題したキャンペーンを開始しました。この一年で、競合となる重炭酸入浴剤や“睡眠”などをうたった機能性入浴剤が急激に増えました。『BARTH』以外の商品を使ってみたい、と一度離れたお客様も、こういった新たな仕掛けによって『BARTH』の存在に改めて注目いただき、またユーザーになってくれることに期待しています」
 ――シリーズの中で売れ筋や追加品などの変化については。
 「ここ数年は、大容量の90錠入がECも店舗も好調な動きを見せています。ヘビーユーザーがしっかり付いてくれているという証ではないでしょうか。また8月21日から、トライアルの促進を目的に、アース製薬ブランドとなってから初の新商品として1回分3錠入を発売します。コンビニなどへの導入も進んでおり、新規層を幅広く取り込んでいければと思っています」
 ――まずは一度使ってもらうことがユーザーの拡大には重要ということですね。
 「確かにその通りで、一度使っていただいて、ゆくゆくは90錠入を使っていただく流れを強めていきたいと考えています。また、入浴剤をきっかけに、ボディクリームやハンドクリーム、アイクリームといったシリーズの他の商材にも目を向けていただくような販促も必要になります。当社はボディクリームなどの展開にはあまり慣れていませんので、そのあたりはTWOから来ていただいた社員の知識やノウハウを生かしながら取り組む考えです」
 ――御社といえば、店頭支援チームの「エマール」が強みでもありますが「BARTH」の販促にも活用されていくのでしょうか。
 「エマールが訪問している店舗は、郊外などの広い店舗が多いですが『BARTH』の取り扱い店舗は都心型が多く、ターゲット顧客が少し異なります。ただ、エマールは当社の貴重な戦力ですので、うまく活用しながら進めていこうと思っています」
 ――最後に、ブランド育成への考えや必要と捉える施策などを聞かせてください。
 「お風呂に入る重要性をもっと伝えていきたいですね。お風呂に入り、更に入浴剤を使うことで、一日の疲れを癒やしたり、良い眠りについたり、といった効果をどう伝えていくか。また、男性顧客も増やしたい。サウナなどの需要は変わらず高いものがありますので、自宅でも汗をかくことの快適さを訴求していければと思います。そして、この8月から『なりたいジブンは、夜につくる。』を新たなキーワードとして、リブランディングしました。バスタイムからスリープタイムまで「ワンランク上のナイトルーティン」を提供するブランドとして存在価値を高めていく考えです。当社でも一ブランドのみを扱う事業部の設置というのは初となります。ここまで認知の広まったブランドを大事に育てていけるよう、事業部一丸となって更に魅力あるブランドに育成していきたいと思っています」

 (詳細は「日用品化粧品新聞」8月14日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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