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資生堂がR&D戦略発表会

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資生堂がR&D戦略発表会

 三つのイノベーション技術を解説

  資生堂は11月17日、横浜市西区の資生堂グローバルイノベーションセンターで「R&D戦略発表会」を実施、オンラインでも配信した。
 岡部義昭チーフブランドイノベーションオフィサーは、研究開発の強化を目的に、新たに制定した独自理念「DYNAMIC HARMONY」を解説した。一見相反する価値や両立が難しい価値を融合し、唯一無二の新たな価値を生み出してきた自社のR&Dの考え方を強みとして再定義。社内外に強みと独自性を可視化、発信して、研究員が能力を最大限発揮することを狙うもので、「企業使命である『BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD』の下、新たな製品やより良いサービスの提供を行っていく」と力を込めた。その中で柱と据える研究アプローチは、肌の内外から美しさを引き出す「Inside/Outside(肌の内/外)、確かな効果を日本品質で届ける「Functionality/Japan Quality(機能性/日本品質)、顧客の感性を科学で追究する「Science/Creativity(科学/感性)」、プレミアム感と環境共生を両立する「Premium/Sustainability(プレミアム/サステナビリティ)」、広く顧客を知り、一人ひとりに最適な美を提供する「Individual/Universal(個/普遍)」の五つ。強みとしてきた研究領域を深化させ、変化する社会環境やユーザーニーズに迅速かつ幅広く対応していく。
 オープンイノベーションの動きも積極的に進め、積極的に国内外の研究機関との連携を加速する構えで、慶應義塾大学先端生命科学研究所所長の冨田勝教授、脳科学者の中野信子氏とアドバイザリー契約を締結したこともトピックスの一つ。イノベーションの創出に向け、新たな試みを見せる。

 強みの研究領域を深化、「サンケア」から「サンデュアルケア」に

 その後は「自信をもってご案内できる」(岡部オフィサー)という三つのイノベーション技術について、各担当者が解説。みらい開発研究所の宮沢和之主幹研究員、ブランド価値開発研究所の渡辺百合香研究員は、肌への脅威とされていた紫外線を良い作用をもたらす光へ変換するという逆転の発想から生まれ、環境とポジティブに調和、共生し、美を生み出す技術にする取り組みの一環である「紫外線変換技術」を取り上げた。光合成に着想を得て、藻類由来のスピルリナエキスと天然鉱物由来の蛍光酸化亜鉛に、それぞれ真皮細胞、表皮細胞を活性化し、紫外線を可視光、美肌光に変換する効果を見いだし、紫外線による肌ダメージを回復させると共にコラーゲンやヒアルロン酸の産生を高めることに成功したと報告。紫外線を防ぐ「サンケア」から有益な美肌光へと変換する「サンデュアルケア」へと転換し、生活者がより一層アクティブで自由に日々の生活を楽しむことができる未来へとつなげたい考えだ。
(詳細は「日用品化粧品新聞」11月22日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)

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