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リブドゥコーポレーション 久住孝雄社長に聞く

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リブドゥコーポレーション 久住孝雄社長に聞く

新社長が見据える事業の可能性、将来性

 リブドゥコーポレーションは6月27日付で、久住孝雄氏が新社長に就任した。同社の大きな柱でもある「ライフケア事業」と「メディカル事業」の現状及び今後の展開、組織運営などについて久住社長に考えを聞いた。

 ―これまでの経歴について教えてください。

 「1982年に関西大学卒業後、大王製紙に入社し、営業、営業企画、生産計画、物流、収益管理などの職を務めた。1998年にリブドゥコーポレーションの社名変更前のトーヨー衛材に入社。『ライフケア事業』で営業企画、マーケティングを約5年、その後、経営企画を約1年担当した。経営企画の時代に、当時立ち上げたばかりの『メディカル事業』に移り、直近までの14年間担当し、これらを含めて21年目となる」

 ―「ライフケア事業」の現状や介護用品市場の状況をどう捉えていますか。

 「『ライフケア事業』は、大人用の紙おむつと排泄ケアに関する商品を合わせて展開している。介護用品市場の動向は、高齢者人口の増加により拡大を継続。大人用紙おむつに関しては、各社が高機能化を図る他、消費者が使用方法を見直すなど、一人当たりの使用枚数が減少している。市場は拡大をしているが、大人用紙おむつ市場規模は以前のような高い伸びはなく、微増で推移している。そのような市場の中で、当社は昨年に商品ラインアップの充実を図った他、軽失禁パットの強化、eコマースへの注力を行った。これらの三つの施策を推進したが、市場の状況もあり2017年度の売り上げは微増となった。しかし18年度の第1四半期は、昨年から取り組んでいる施策の効果により、前年比104%の売上高となった」


施設・病院市場/在宅市場/開発・マーケティング


 ―今後の「ライフケア事業」の進め方については。

 「今後の進め方では、大きく三つに分けており、一つは『施設・病院市場』、二つ目は『在宅市場』、三つ目は『開発・マーケティング』である」

 「大人用紙おむつ、排泄ケア用品を扱う『施設・病院市場』は、当社の主戦場でもあり、この市場ではトップシェアを確保している。今後は次の強みとしているポイントを更に強化していく。一つ目は全国の販売店との更なる関係強化、二つ目はお客様のニーズに合った豊富な品ぞろえ、三つ目は施設・病院の現場をサポートする『リフレサポーター』による情報の提供や現場の改善提案といったことである。『リフレサポーター』については、アフターフォローやサービス面で他社メーカーとの差別化を図る大きな要素として強化していく」

 ―在宅の市場も大きな鍵を握りそうです。

 「『在宅市場』では、従来通りにドラッグストアを中心とした店頭チャネルに注力すると同時に、新たなチャネルとしてカタログ通販やアマゾンや楽天などのeコマースを強化していく。その他では、各地域の施設・病院とタイアップして退院したお客様に施設・病院から大人用紙おむつを提供することや、身近な存在のヘルパーへのアプローチを検討している。これらを通じて、当社の商品と情報を触れる機会を増やしてブランド認知を拡大していきたい」

 ―開発やマーケティングなどについては、どのような考えをお持ちですか。

 「『開発・マーケティング』については『軽・薄・短・消』をスローガンとして、ものづくりを推奨している。今後は差別性のある商品をつくるために、徳島に『イノベーションセンター』という研究開発センターを設立する。特長としては、実験室や試験室はもちろん、加工テスト室を備え、開発した素材や技術を実機で使えるのかを事前に調べることを目的としている。これらの施策により『ライフケア事業』の昨年度の売上高362億円を20年度までに460億円に増加していきたいと考えている」

 ―「メディカル事業」の動向はいかがでしょう。

 「病院の収入増や費用の削減による共同購買組織の拡大、消費増税で今後も厳しい状況である。その中で、メディカル事業の昨年度の売上高は、81億円で前年比110%と高い成長を見せた。特に主力商品で医療機器をセットにした『キット』が大きな伸びを示し、メディカル事業が好調に成長している」

 「今後の施策については、東京、名古屋、大阪の3大都市圏の市場を中心に展開する他、各地域の中核病院に的を絞り進めていく。進め方は、無駄を削減した『標準化されたキット』、病院手術の稼働状況などを見える化にすることで業務改善をする『的確な付加価値提案』、勉強会やセミナーの実施による『お客様に密着したサービス』を3本柱にしていく。これらにより20年度には、売上高を120億円までに拡大していきたい」

 

魅力のある職場づくりの3条件
 


 ―最後に全社の組織運営について聞かせてください。

 「前社長である宇田正会長は『人を活かし、社員を大切にする』を目指すことを常々述べていた。この同じ誠心に基づき、より具現化することを念頭に置き『働きがいがあり、魅力のある職場づくり』を社員とともに進めていきたい。これを組織運営の中心にしている理由は大きく二つある。一つは経営の好循環の実現で、社員のモチベーションの向上を引き出し、その結果としてお客様に優れた商品やサービスを提供できる。もう一点は人財を確保する力である。人財を確保する力こそが企業の力で、その差が企業の差となって表れる」

 「また、魅力のある職場づくりには三つ条件がある。一つ目は経済的条件で、評価に見合った報酬がされているかということ。二つ目は物理的条件で、働く環境、制度などが整っているかということ。三つ目は精神的条件で、仕事に誇りややりがいがあるのかということである。この三つの条件のバランスが取れていることが非常に大事であり、今後も社員と協議しながら前進していきたいと考えている」

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