【オーラルケア市場】高まる期待と各社の動き/伸長著しい洗口液と回復基調のハブラシ
コロナ禍で日用品業界の様々な市場が影響を受ける中で、オーラルケアの分野は生活者の意識と行動の変化を背景に堅調な伸びが続いている。ハブラシなど一部カテゴリーは一時的に厳しい状況もあったが、それも回復基調にあり、更に伸長著しい洗口剤の寄与などもあり、継続してきた安定成長の潮流が一段と加速しそうだ。市場の現状と展望を追った。
好調さが継続する洗口液
昨年の市場動向を振り返ると、ハミガキは従前からの高付加価値化が継続して平均単価も上昇し、前年を上回る推移となった。ハブラシは買い物自粛による買い控えが影響して減少傾向となったが、後半には回復基調が見え始めた。洗口液は年間を通じて2桁伸長に迫るメーカーもあるなど好調だ。
今年に入ると、そうした流れも顕著になり「特に春以降は大幅に回復してきており、これが現在まで続いている」(大手メーカー)。ハミガキは引き続き平均単価の上昇で前年比2~3%増と上乗せ、ハブラシはしばらく続いた前年割れからほぼ前年並みに回復。一方で洗口液は5~6%増と変わらず好調だ。フロス、歯間ブラシなどデンタル用品も2~3%増が続き堅調な様子。
健康意識と衛生意識の高まり背景に
これらの理由として、生活者の間で、それまで高まってきた健康意識に加えて、コロナ禍による衛生意識の向上が絡んできているためという見方が強い。歯医者に行きにくくなっていることも含め、新しい生活様式の浸透が、特にセルフケアの拡大に強く影響しているとされ、それは、全ての年代での洗口液の使用率の高まりや、ハミガキ、ハブラシのいずれも効果効能への期待が大きい高付加価値商品の動きが活発といったことに表れている。参入各社による、口腔の衛生が全身の健康につながるという訴求、提案が、新型コロナ感染拡大防止を継続したいと考える生活者のニーズとマッチした形と言える。
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