【注目ブランド戦略・コーセーコスメポート 】独自の世界観でユーザー獲得へ
人気イラストレーターとコラボしたパッケージが目を引く商品群
1998年にデビューし、高いシェアを獲得し続けているコーセーコスメポートの「クリアターン」。多彩な商品展開で様々な肌悩みにアプローチしているブランドは今春もラインアップを拡充するなど、進化を続けている。
幅広い品ぞろえの中でも特に注目を集めるのが、昨年秋に立ち上げ、人気イラストレーターとコラボレーションしたパッケージが目を引く商品群だ。「『Ｂｅｔｔｅｒ ｔｈａｎ ｓｌｅｅｐｉｎｇ～ｓｌｅｅｐ 8 ｈｏｕｒｓ ｉｎ 8 ｍｉｎｕｔｅｓ～』～8分の集中ケアで8時間熟睡したような肌に～」をコンセプトとし、学校や仕事、遊びに全力で、忙しい毎日を過ごす若年層をターゲットに誕生した。
表面にエンボス加工を施した凸凹高密着シートは、柔らかな肌触りで透明性が高く、肌が透けるほどピタッと密着するとユーザーから好評価。弱酸性、無着色、無鉱物油、パラベンフリー、紫外線吸収剤フリー、シリコーンフリーという優しい使い心地にもこだわっている。
小容量のジップタイプという、支持を高めているカテゴリーの中で存在感をアップしており、徹底保湿タイプとして乾燥で悩む人に向けた「うるうるＢＯＭＢマスク」、敏感・肌あれタイプとして健やかでゆらぎにくい肌へ導く「ごめんね素肌マスク」に続き、今年2月には毛穴・あれ肌タイプとして“なめらか陶器肌”を叶える「毛穴小町マスク」を発売した。
各コスメ賞獲得など高評価の「毛穴小町」も投入
ベストコスメを多数受賞し高評価
マスク着用機会が増えた影響などもあり、ターゲットである若年層の肌悩みとして最も多い毛穴目立ちにアプローチする「毛穴小町マスク」は、「角質柔軟成分」に加え、100％国産米発酵エキスを用いてふっくらと保湿する「発酵ライスモイスチャーＣＰＸ※コメ発酵エキス・コメヌカエキスＢＧ（保湿）」、今話題の「ツボクサエキス」「ドクダミエキス」を用いて、きめの整った滑らかな肌を実現する。
シリーズ既存品同様に、商品の世界観を表現するパッケージも特徴的で、「ひきしめきゅっ」「もっちりつるん」という使用感を文字で表現。虎のイラストの尻尾にはＣＩＣＡと記載し、話題の成分を配合していることも紹介しつつ遊び心を盛り込んでいる。
開発担当の長坂有花氏は「商品名称には、毛穴や肌あれ悩みに困った“こまちちゃん”が、綺麗な娘を表す小町娘の“こまちちゃん”になってほしいという思いを込めました。使用後に、凸凹面を活用した拭き取りケアもお勧めです」とアピールする。
「美容液がひたひた」など、使用感を絶賛する口コミが多いことも特長で、美容プラットフォーム・ＬＩＰＳの「ベストコスメ2022上半期新作カテゴリ賞シートマスク部門」1位、ＳＮＳ美容メディア・ＭｉｍｉＴＶの「2022年上半期ベストコスメスキンケア部門／フェイスマスク・パック」1位、アットコスメの「ベストコスメアワード2022上半期新作ベストコスメ ベストシートマスク・パック」3位を受賞。各方面から高い評価を獲得している。
有名インフルエンサーとコラボも
メインターゲットであるＺ世代にアピールするため、ツイッター、インスタグラム、ＴｉｋＴｏｋなどを積極的に活用。有名インフルエンサーとコラボしたインスタライブも大きな反響が寄せられ「ユーザーと直接会話でき、リアクションが分かったため、こういうところに興味を持ってもらえるんだ、という発見にもつながりました。今後もこのような機会を商品開発のヒントにつなげていき、多様な肌トラブルに対応した新しい商品を開発していきます」（長坂氏）と、シリーズ拡充のきっかけにつなげていく考えだ。
プロモーション面では更に、東京・原宿の竹下通りに自動販売機を設置するなどユニークなアプローチも試みて接点創出を図っており、その模様を紹介したクリアターン公式ＴｉｋＴｏｋ動画は20万回以上も再生されるなど話題となった。
店頭ではシリーズ3品を並べて陳列されるケースも増えており、“映える”パッケージのため2品、3品を合わせて購入し、ＳＮＳで紹介するユーザーも目立つなど、発信力、拡散力の高さはシリーズの持ち味となっている。
マーケティング担当の辻佳奈子氏は「クリアターンの強みは、お客様一人ひとりの肌状態や悩み、使用シーンに対応した豊富なラインアップです。Ｚ世代を中心に好調な『イラストレーターシリーズ』を入り口とし、30代の肌荒れ悩みに対応しＣＩＣＡ成分を配合したＣＩＣＡモイストマスク、40～50代の加齢による肌悩みをケアするシワ改善マスクなど様々なシリーズに関心を持っていただけるよう、引き続きプロモーションに注力していきます。今後もクリアターンはブランド圧倒的Ｎｏ.1の確立を目標に、新しい企画に挑戦しながらユーザーとの接点を増やしていければ」と意欲を見せる。
（詳細は「日用品化粧品新聞」7月11日号／または日本経済新聞社「日経テレコン」で
