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【新潮流界隈マーケティング<第4回>】【KEEN寄稿】

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【新潮流界隈マーケティング<第4回>】【KEEN寄稿】

ギフティングはなぜ失敗するのか
―美容マーケティングの構造的課題―

 KEEN株式会社が提供する界隈マーケティング支援サービス「KEEN界隈DB」は、「どの界隈で、どのような文脈でブランドが語られているかを理解し、最適なコミュニケーション施策へとつなげる」をコンセプトに、SNS時代の美容マーケティングにおける新しい情報構造を読み解くための視点と手段を提供している。本連載では、「界隈」を単位に動く美容消費の実態を、具体的な事例とともに考えていきたい。
 美容業界では「サンプリング」と「ギフティング」という二つの施策が広く活用されている。サンプリングは、発売前のモニター調査や商品体験を通じて生活者の声を集めるリサーチ施策として発展してきた。ギフティングは、芸能人やインフルエンサー、KOLへ商品を提供し、その発信を通じて認知を広げるPR施策である。本来目的の異なる二つが、SNSの普及により「UGC(User enerated ontent)を創出する施策」として期待されるようになった。
 ところが現在、その前提が大きく変わり始めている。まずサンプリングである。現在のSNSでは、検索もレコメンドもAIによるセマンティック解析へと進化している。アルゴリズムは、多く関心を集めた投稿を優先的に表示するため、インプレッションが伸びない口コミは検索やおすすめにも表示されにくくなり、その価値は以前より低下しつつある。
 更に、公募型サンプリングには二つの課題がある。一つは「懸賞界隈」への流通である。「もらえるから応募する」という動機のユーザーに商品が届き、ブランドとの親和性が高い生活者へ届かないということが起きている。もう一つは、UGCの均質化である。モニター同士で撮影方法やレビューの書き方が共有され、SNSには似たような投稿が大量に生まれる。こうした投稿は共感を得にくく、インプレッションも伸びにくい。
 一方、ギフティングにも課題がある。ギフティングは、拡散力を狙うためフォロワー数の多いインフルエンサーやKOLへ商品提供することが多い。しかし限られた人数へのギフティングだけでは、成果は個々のクリエイターに依存しやすくなる。実際に「もらえるならもらうが、大量に受け取っているから丁寧にレビューできない」というクリエイターの声も聞く。
 では、これからのギフティングはどうあるべきなのだろうか。SNSでは、同じ肌質や価値観を持つ生活者同士が商品について語り合うことで、UGCが広がっていく。つまり「どの界隈の誰に届けるか」が重要なのである。界隈に適合した発信者を選び、一度きりの投稿ではなく、ブランドとの継続的な関係を築く。これからのギフティングは「界隈との関係構築」を目的とした施策へと進化していく必要がある。

(KEEN代表・小倉一葉)

(詳細は「日用品化粧品新聞」7月13日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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