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【ドラッグストアの販促分析】トライアル購入を後押し

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【ドラッグストアの販促分析】トライアル購入を後押し

各社「日別」キャンペーンが奏功

 

 市場規模を拡大して勢いを増すドラッグストアチェーン各社。今回は、当社独自に収集するレシートデータから日別のキャンペーンを実施している3社(ウエルシア、ツルハ、マツモトキヨシ:レシート総枚数約5・7万枚)をセレクトし、キャンペーンの効果を検証。消費者の購買理由を分析する。(ポイントデー内容は自社調査。店舗により異なる場合もあり)

 「ウエルシア」毎月20日に2倍デー

 毎月20日にポイント2倍デーを実施しており、Tポイント200ポイント以上の利用で1・5倍の買い物ができる。レシート枚数の推移を日別でみると(図表参)、20日に購入されたレシートは18・1%で、全体の2割近くを占めている。ユーザーの声からも、「ついで買い」「トライアル購入」を促していることが分かる。

 「他の商品を購入する目的で入店したが、目薬コーナーでポイント2倍の表示が目に入り購入(30代女性)」「毎月20日のキャンペーンでエスカップNEXTを購入した。疲労感が和らぎ集中して仕事できるところが気に入っている(30代女性)」「20日はTポイントでお得に購入できるので、いつもより高い粉ミルクを購入した(30代女性)」

 「ツルハ」月3回の5%割引

 毎月1日・10日・20日はツルハポイントカードの提示で5%割引を実施。各日別の購入レシートの割合は、1日が8・0%、10日が7・8%、20日が9・4%となり、販促日にしっかりと山を描いていることが分かる(図表参)。

 「割引の日だったので、以前に購入して使用感が良かったファンデーションを購入(50代女性)」「ツルハが感謝デーだったので買い物に行き、お気に入りの歯磨き粉のストックを購入(50代女性)」「感謝デーは5%オフなのでよく行く。クレンジングを試しに購入したが、安い割にはよく落ちるのでまた使いたい(40代女性)」

 

 「マツモトキヨシ」化粧品がP10倍

 毎月1日・2日はカウンセリング化粧品購入でポイント10倍を実施。対象商品が限られるため購入レシートの割合は3〜4%台を推移し、販促日の増加は確認できなかったが(図表参)、美容部員による接客が化粧品購入の後押しになっていることがコメントから分かる。

 「カウンセリング化粧品コーナーでスタッフの方に気になる症状を伝えると、『HAKU』を勧められた。一緒に使用すると効果があるという試供品もつけてくれたので購入(30代女性)」「店内を見ていると、化粧品売場で美容部員の方に話しかけられ、限定品のスプレータイプのファンデーションの説明を受けながらお手入れしてもらった。ポイントアップデーだったし、これからの季節に使ってみたいと思って購入(40代女性)」

 今回の結果から、各社が取り組む様々な販促を消費者はしっかりと認知しており、上手に活用していることが分かる。ストック購入や高価格帯商品のトライアル購入などにも結びついており、販売員のアプローチも購入を後押しする大きな要因となっている。「店に行ってから購入を決めた」ケースも多く、店頭施策の強化も更に重要性を増しそうだ。今後はより「個」に特化したワンツーワンプロモーションの導入にも注目したい。消費者ニーズを巧みに捉えるドラッグストア市場はまだまだ拡大余地があるといえるだろう。

 

*ソフトブレーン・フィールドのマーケティングソリューション部により、
消費者が実際に購入したレシートのデータとアンケート調査から購入理由などを分析する
「user's VOICE」は、「日用品化粧品新聞」の第2月曜日発行号で連載中。


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