【エビス】記者懇談会実施、今後の事業展開に意欲示す
エビスは1月21日、大阪市中央区のホテル日航大阪で記者懇談会を実施、乾正孝社長、鈴木浩二営業本部長、荒川将之執行役員営業統括部長が出席、業績の概況や新商品、マーケティング施策などを説明し、今後の事業展開に向け意気込みを示した。
冒頭、2025年5月期の業績を説明した乾社長は「2024年11月までの中間決算では、売上高が前年同期比で8・5%減。このうち国内一般ルートが2・0%増、海外及び特殊ルートが23・0%減となった。営業利益、経常利益、当期純利益も大幅に減少した」としながらも「23年8月から9月に掛け、国内一般ルートでは主力品も含めて価格改定に踏み切った。その後1年を経過した実績で、回復の途中ということもあり、実質的にはもう少し良い数字となっている」と述べた。一方で「中国への輸出は、市場環境が厳しいことに加え、前年度に非常に多くの発注をいただいたこともあり、今回は大きく下回った。これが業績全体の足を引っ張ったと言える。現在、代理店との協議を続けているが、様々な要素から中国経済の急速な回復は難しいと考えられ、これは今後の課題として捉えている」とした。
下期の施策では、オーラルケアへの関心が低い若年層の使用拡大、商品の更なるランクアップ、単価アップへ向けて取り組むことを柱に据える。また、セルフケア意識が高い層を深耕するため高付加価値商品を投入してランクアップを図り、ハブラシ以外の歯間ブラシ、フロス、舌クリーナーなど専用品では企画品を発売し未使用者のトライアル使用を促す。使い心地を追求した商品で満足度を高めることも推進する。
これらの施策により通期の業績は、前年同期比で売上高は横ばい、営業利益44・2%増、経常利益0・2%増、当期純利益7・8%減となる見通し。
鈴木本部長は各事業部門の状況を説明した。これによると、24年のハブラシ市場は前年比4・3%増、平均単価も3%以上高まっていることを示唆。このうち幅広ヘッドタイプのハブラシは7・1%増、平均単価は4・0%増と堅調に伸びているとした。更に口腔衛生用品の市場は、歯間ブラシ、デンタルフロス、舌クリーナー、ワンタフトブラシ共に成長を継続しているという。その上で「ハブラシは販売数量こそ減少傾向にあるが、単価の上昇で市場が拡大。今後も数量の伸びは見込めないため、いかに単価を引き上げるかがポイントとなる」(鈴木本部長)として、テレビCMやブランドサイト、SNSなどを活用した販促施策、新商品による既存品ユーザーのランクアップを図る他、口腔衛生用品の拡大提案、高付加価値商品の提案などを進めていく。
最後に荒川部長が今春の新商品として投入する音波振動ハブラシ「イー・プレミアムケア」、シリーズ最高峰の磨き心地を追求した「極プレミアムケア」(超密ぎっしり、極上ふんわり)、優しい使い心地を実現する「ふんわりタッチな歯間ブラシ」の特長、商品設計などを紹介した。
(詳細は「日用品化粧品新聞」2月3日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)