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【P&Gジャパン】新社長に木葉慎介氏が就任

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【P&Gジャパン】新社長に木葉慎介氏が就任
消費者理解で競争優位性とイノベーション更に加速

 P&Gジャパンは4月1日付で木葉慎介(このは しんすけ)P&Gグループ ファブリック&ホームケア 日本・韓国事業統括責任者シニアバイスプレジデント(シンガポール)が社長に就任する。それに先立ち3月21日、東京都中央区の東京オフィスで会見を開き、ヴィリアム・トルスカ社長、木葉氏がこれまでの実績や今後の方向性などを示した。また、4月1日から稼働する日本最大級の保管能力を誇る高崎サプライ倉庫(群馬県藤岡市)の概要を、高崎工場の牧野充浩工場長が説明した。

 木葉氏は2001年同社入社。09年、アジア太平洋・インド地域パンテーン担当ブランドマネージャー(シンガポール)、10年ボールド担当ブランドマネージャー(日本)、16年アジア太平洋地域柔軟剤/洗濯洗剤事業ディレクター(シンガポール)、18年グローバルデザイン兼インド・中東・アフリカ地域柔軟剤事業ディレクター(スイス)などを歴任(職歴のカッコ内は赴任地)。主にマーケティング部門を中心に市場の開拓を担ってきた。日本人の社長就任は、15年に退任した奥山真司氏以来。なお、トルスカ社長はアジア太平洋・中東・アフリカ地域/エンタープライズマーケットグルーミング事業部シニアバイスプレジデントに就任し、アラブ首長国連邦/ドバイ首長国に赴任する。
 五つの優れた領域で競争優位性を加速
 トルスカ社長は、直近(2024年度)の業績として、売上高が前年比1桁台の中盤で成長したことを述べ、成長性の勢いも加速していることを強調。その要因を「徹底した消費者理解」とし、中でも「優れた製品」「優れたパッケージ」「優れたブランドコミュニケーション」「優れた店頭展開」「優れた価値提供」を挙げた。「この五つの優れた領域において競争優位性を加速することができた。オンライン、オフラインともに消費者に対価を払うだけの価値があるという認知を拡大することで好調な業績を収めた。木葉新社長になってもこの戦略は続く」と説明した。
 また、注力する製品イノベーションの事例として「ジョイPRO洗浄」シリーズを出し「ユニークな消費者ニーズを開拓することに基づいて開発し、まとめ洗いとすぐ洗いという消費者の二つの違った習慣に着目した。木葉氏と共同で推進したイノベーションの最新事例である」とした。
 更に、もう一方で注力する流通パートナーとの協働では、推進するジョイント・ビジネス・プランの存在を挙げ「ビッグデータを最大限に生かし、最高の需要予測開拓を達成した。早期発注の実現など作業効率を高めることにも成功している」と手応えを示した。
 また、グローバルでの日本市場の重要性に触れ「日本は人口構成の変化が特徴的である。様々な知識を使って成功することはグローバルの成功にもつながる」とした上で「木葉さんは、ジャパンの未来をリードするという意味でも最適な人材である」と強調。
 更に「日本において様々なカテゴリーでの経験があるし、日本からグローバルタレントを輩出することにパッションを持っている。また、ファブリックケア市場の成長を、P&Gジャパンが10%以上上回って成長していることに貢献している。日本の消費者の暮らしの更なる向上を実現してくれるはずだ」と絶大な信頼感を持っていることを述べた。
 深い消費者理解に基づく優位性戦略を推進し日本市場を成長
 続いて、木葉氏があいさつに立ち「24年前に新卒で入社した私の社会人人生は、P&Gジャパンの成長の歴史とともにある。日本人として先導役となることに身が引き締まる思いである。日本は少子化が進み成熟市場と言われているが、私はイノベーションによってまだまだ成長できると確信している」と自信を見せた。
 日本市場全体の成長に掲げるフォーカスエリアは次の3点。「深い消費者理解に基づいた優位性戦略の推進」「流通パートナーとの協働の強化」「日本発グローバル人材の育成」。
 「深い消費者理解に基づいた優位性戦略の推進」に関しては「P&Gジャパンのイノベーションにおける優位性は、世界約70カ国で展開するグローバルのノウハウとローカルの知見を融合させることによって日本の消費者に愛される優れたイノベーションの商品を投入できることである」として「その一例が『レノアアロマジュエル』。自分の服から好きな香りを長続きさせたいニーズは世界中にある。日本ではビーズ状にして日本人が好む香りを採用した。2012年の発売だが、現在の柔軟剤市場の成長をけん引している。この事例からも分かるように日本の消費者に支持されるイノベーションを出していけば必ず市場は伸びる」と自信を示した。また、自身の現職の期間で、市場構築に実績を積み上げたと自負するブランドに「アリエールジェルボール」を挙げた。
 日本最大級の「高崎サプライ倉庫」を4月稼働
 「流通パートナーとの協働の強化」については、迅速で効率的なサプライチェーン構築に向け、4月から稼働する「高崎サプライ倉庫」の存在を強調した。高崎サプライ倉庫は、日本の全ての業界の自動倉庫の中で最大級の保管能力を誇るだけでなく、P&Gグローバルの中でも最大級の自動倉庫という。自動化技術やオペレーションノウハウはグローバルの知見を最大限に生かし、トラックから出荷準備までの全てのプロセスを自動化し、大幅な省人化を実現する他、これまで分散していた複数の倉庫を集約し物流のネットワークを最適化することでトラックの走行距離を年間約200万㎞削減する。
 「日本発グローバル人材の育成」については「日本人はグローバルな場で活躍できる資質がある。消費者インサイトを見つけるのがうまく、それをイノベーションに展開していくことが強み。業界をリードする人材をP&Gジャパンから輩出したい」とした。
 最後に「就任にあたり三つのモットーを述べたい。一つ目が、イノベーションで更に日本の消費者の生活に貢献していくこと。二つ目がP&Gジャパンから国際的なビジネスの場で活躍する人材を多数育てること。三つ目が日本で50年以上事業を行ってきた企業として消費者の生活の向上、市場の成長、人材育成の点などから総合的に日本の社会に貢献できる企業であること」と方向性や抱負を示した。

(詳細は「日用品化粧品新聞」3月31日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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