【コーセー】持ち株会社体制の新役員発表
既報の通り、コーセーは10月31日付けの取締役会で、来年1月1日に持株会社体制へ移行し新たな商号とするコーセーホールディングスの代表取締役及び役員の異動について決議した。3月27日付で現・コーセー代表取締役社長の小林一俊氏がコーセーホールディングス代表取締役会長グループCEO、常務の澁澤宏一氏がコーセーホールディングス代表取締役社長グループCOOに就任する。なお、1月1日を効力発生日として、現・コーセーが営む一切の事業を完全子会社であるコーセー分割準備会社に承継させた上で、その商号をコーセー(以下、新コーセー)とする。これに先立ち10月31日、東京都中央区の本社で会見を行った。
今回の異動については、中長期ビジョン「Vision for Lifelong Beauty Partner―Milestone2030」に基づき、持続的な成長と企業価値の向上を加速させるべく、経営体制の更なる強化を図るためとする。グループのグローバル展開の推進などを目的に、代表取締役を1名増員して2名体制とした。
小林社長は新体制の狙いについて「グループ内のシナジーを最大化するため。各事業部門のブランド、人員を横断的に生かして価値創出力を高め、グローバルでの存在感を向上させる」と説明。澁澤常務については「売り上げ規模が3000億円を超えると各事業部門を全て把握することに限界があり、もう一人代表取締役が必要だろうと。多様性のある各ブランドのシナジーを発揮することに加え、グループのガバナンスが必要だと考えた時に、最も澁澤が適任だと考えた。国内での営業部門、マーケティング部門、また海外事業部門も経験し、ガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメントの高度化に貢献してきた」と評価し「コーセーを知りつくした人材であり、戦略立案力と現場感覚を発揮して、スピード感と実行力をもって更なる成長を私と共に切り開いていってもらいたい」と期待を寄せた。
自身については「経営の最終責任を担いながら業務執行の最前線にいることで、国内でのイベント、行事などに時間を費やすことが多くなっていた。これからグローバルに成長していくために、業務提携やM&Aを見据え、海外市場を見ることに時間を費やしたい。海外ブランドや新しい市場への目利きは私があると言われてもらっており、強みである創業家の一貫性、持続性は生かしつつ、推進役としての業務執行を任せ、かじ取り役に専念したい」と意欲を示した。
また、アルビオンとの更なる連携強化を目的として、小林章一アルビオン社長がコーセーホールディングスの副社長に、日本ロレアルの副社長を務めたことのある齋藤匡司氏が常務に就任予定で「ブランド戦略やグローバル事業展開を加速させる」と強調。多様性の向上やグローバル化の加速に向けて、社外取締役に張秋華氏が就任することにも触れた。
(詳細は「日用品化粧品新聞」11月10日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)


