【ライオンの25年1~9月期決算】営業、四半期利益が6割以上増
ライオンの2025年1~9月期決算は、これまで進めてきた収益性改善が順調に推移していることなどを受け、売上高は3049億4500万円で前年同期比1・3%増、また営業利益、四半期利益は6割以上の増加となった。決算発表に伴い11月11日、東京都千代田区の東京国際フォーラムにマスコミ各社を招きスモール懇談会を実施、福田健吾代表取締役兼副社長執行役員、川西敬之取締役兼執行役員が業績の概要、国内外の事業の現状、今後の方向性などを説明した。
福田副社長は冒頭、本決算の概要について「国内事業は重点的な育成で成長のモメンタムが改善され、海外では環境変化が進む中で戦略の展開を図った。来期以降に向けた種まきと改革も進捗している」と述べ、一定の評価を表した。一般用消費財はオーラルヘルスケア分野が寄与して成長幅が拡大し、付加価値化と競争費用効率化、新商品の貢献などで事業利益も大きく伸ばした。また四半期利益は、ベトナムの子会社「メラップライオン」の段階取得差益計上もあり1・6倍増。売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出するライオン独自の指標である事業利益は約37億円上積みされ19・9%増。
事業利益の増減要因として挙げられるのは、商品の高付加価値と値上げで23億円、コストダウンで11億円の増加、また販管費も国内外で効率化を進め30億円のプラス効果。一方で、原材料価格の高騰の影響で13億円、人件費、R&D費用の増加などで9億円のマイナス。全体としては「高付加価値化・値上げが順調に進捗し、粗利も改善された」(福田副社長)。
一般用消費財の分野別売上高は、最も注力するオーラルヘルスケアが4・6%増、ビューティケア1・5%増、リビングケア0・7%増。ファブリックケアは2・2%減ながら、新商品を投入した7~9月にはプラスに転換している。ブランド譲渡の影響により薬品は7・9%減。
海外事業は、東南・南アジアでは売上高2・0%増にとどまった。地政学上の問題が発生したタイでは苦戦を強いられたが、マレーシアでは液体洗剤の好調などでカバーした。北東アジアでは、主要国である中国、韓国が減収減益。
(詳細は「日用品化粧品新聞」11月17日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)




