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【小売業スキンケアPB・イオンリテール】Z世代向けシンプルケア「COPERNICA(コペルニカ)」

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【小売業スキンケアPB・イオンリテール】Z世代向けシンプルケア「COPERNICA(コペルニカ)」
年齢や性別を問わない売り場づくりで、コスメの新規顧客増加

 イオンリテールは今春、自社初のPBコスメブランド「COPERNICA(コペルニカ)」を発売した。「毎日違うあなたに、いつだってよりそう」をコンセプトに、洗顔や化粧水、フェイスマスクなどスキンケア6品目、化粧下地やプレストパウダーなどベースメイク3品目をラインアップ。イオンやイオンスタイルなど全国約440店舗、また、イオンのネットスーパーなどで展開している。グループ会社でもあるイオンの「トップバリュ」とは目線を変えた商品開発、商品設計で、特にZ世代向けに新たな価値を提案するブランドとして訴求を強めている。
 
 「自分の肌に合ったものを使いたい」というニーズが増加  

 近年のスキンケア市場は、成分や効果効能をうたった付加価値品の投入が目立つ一方、ユーザーの間では「自分の肌に合ったものを使いたい」というニーズも高まりを見せている。  
 ブランド立ち上げ時から、現在も育成に携わるH&BC本部ビューティー商品部の長坂恵美氏は「小売業の立場でお客様に寄り添ってきた当社としては、性別や年齢を問わず、そういったニーズに対応する商品を提供したいという考えが常にあります。『COPERNICA』もその思いから生まれたものです。当社初のPBですし、知見もあまりも無い中、小売業でしかできないことをやろうと考えて今の商品にたどりつきました」と説明する。  
 「トップバリュ」の冠を付けた人気PB「グラマティカル」は、ビタミンC配合の美容液や、マイクロニードル技術を用いた美容液など、具体的な悩みを直接解決する商品をそろえているのに対し「COPERNICA」は、より幅広い層に対し、潜在ニーズを顕在化するブランドとして位置付けている。  
 「コンセプトの通り、多くのお客様に寄り添い、肌に良いものを、という設計で商品づくりをすると、逆に差別化のポイントが見いだしづらい状況にはなります。そこで重要になるのは、どういう言葉やイメージでブランドの世界観を表現していくかということ。『COPERNICA』は、Z世代や性別にとらわれないジェンダーレスなどを対象に、スキンケアのファーストステップとして使ってもらい、その後も長く使い続けてもらえるような存在として育成していきたいと思っています」(長坂氏)。

シンプルなスキンケアにも独自のテクノロジー採用

 ブランドの特長は、まず、年齢や性別にとらわれず、皮膚の構造やバリア機能など必要なものを十分な量届けるシンプルなスキンケアである点。その他、付加価値として、独自の「整肌チューニングコンプレックス」を全品に配合。皮膚科学の知見に基づいた独自成分配合による整肌・保湿成分により肌バリアをサポートする。同じく、ベースメイクに配合した「光コントロールミクスチャー」が、肌の色ムラやくすみをカバーし、さりげないツヤ肌へと導くなど、独自のテクノロジーも存分に盛り込んでいる。  
 9アイテムの中でも特徴的な商品は、毛穴や角栓の汚れを吸着し、滑らかな肌に導く天然スクラブ入りの「クレイマスク」。毛穴悩みは女性だけでなく、最近では、男性も鼻のまわりケアなどで需要を高めており、まさに性別関係なく店頭での提案を強める一品として社内でも期待を高めている。  

 男女問わない売り場で新規ユーザーが増加  

 PBの新コスメブランドの立ち上げでどういった変化が見られるのか。最たるは売り場の変化だという。「『COPERNICA』を発売したことで、これまでの女性用、男性用という枠を外し、男女関係なくスキンケアカテゴリー全体としての売り場を意識してつくっています。商品の特長や狙い、ターゲットが同じものであれば、それらを並べて販売するような陳列も試みています」(長坂氏)。そういった売り場に変更後、女性ブランドを購入する男性が、以前より10%増加したというデータも出るなど「COPERNICA」を軸とした発想の転換で、売り場の活性化及びNBの売り上げ増にも大きく貢献している。

 H&BCスタッフがアンバサダーとして参画。社内での効果も  

 商品化に向けては、特に同社らしい施策を取り入れている。顧客の生の声を聞く機会の多い、入社1〜3年目の店頭のH&BC担当スタッフ数人が「アンバサダー」としてプロジェクトに参画。商品化に至るまでのメーカー選定や、販促プランなどを毎月のミーティングで決めているという。PB開発において重要な役割を担うこのプロジェクトは、現在も進行形で、7名いるメンバーを今後増員する予定だ。  
 自社が手掛けるブランドが発売数カ月ながら、店頭での存在感を強めているとあって、多くの社員が販売に対するモチベーションを高めているという。初のPBが及ぼす影響は社内外で着実な効果として見られているようだ。

 (詳細は「日用品化粧品新聞」8月15日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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