花王が小売業関係者を招き東西で方針説明会実施、持続可能な取り組み強化へ

ポジティブリサイクルの取り組みを今後も加速
花王は、11月24日に東京都千代田区のホテルニューオータニ ザ・メインに、同25日に大阪市中央区のホテルニューオータニ大阪に小売業の関係者を招き「花王2023年度方針説明会」を実施した。合わせて。来年発売予定の新製品や取り組みなどの提案をブース形式で紹介して来場者の関心を集めた。
説明会では、長谷部佳宏社長が全社的な経営方針を述べ「花王は良きモノづくりを掲げてきた。その一部であるマーケティングの大改革を行う」とした上で、ブランド強化のためのメリハリのある投資、ロイヤリティマーケティングへの転換、デジタル技術を活用した新体験・究極のパーソナライズ提案、循環型社会に貢献するESG・良きモノづくり提案などを骨子として挙げた。また、協働による三つのイノベーションが重要として、その詳細を説明した。
「サステナブル・イノベーション」では、リボーン、リフューズ、リデューズ、リユース、リサイクル、リプレースの「6R」を設定して取り組み、具体例としてPETボトルを取り上げ「PETボトルのリサイクル率は確かに高いが、実際にPETボトルからPETボトルにリサイクルされるのは10%ほど。多くは未回収、また海外で焼却してもらったりしている。しかし、花王では、ボトルを回収し、高耐久性のある道路に生まれ変わらせるなどポジティブリサイクルに取り組んでいる」と強調し、この動きを今後も加速させたい考えを示した。
化粧品でパーソナライズ化目指す
「カスタマイズ・イノベーション」では、化粧品でオンリーワンの製品やサービスを提供するパーソナライズ化を目指すことを示唆した。化粧品だけでなくマス領域の商品もスーパープレミアム化して販売していくとしつつ「いかにカスタマイズして価値をお届けするかが重要な時代を迎える。リフィルを用意するなどして、お客様に使い続けてもらうことで、捨てる原料が最小化される。レシピ、ロイヤリティーによって、欠かすことのできない商品、絶対に手放せない商品をつくり上げていく」と述べた。
(詳細は「日用品化粧品新聞」11月28日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)