日用品・化粧品・生活用品業界の専門紙

HOME(2022) > 業界ニュース > インタビュー > 【特別インタビュー/DECENCIA・山口裕絵社長】〝すべての肌〟をポジティブに

業界ニュース

【特別インタビュー/DECENCIA・山口裕絵社長】〝すべての肌〟をポジティブに

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【特別インタビュー/DECENCIA・山口裕絵社長】〝すべての肌〟をポジティブに

 優しさと効果を両立し、肌が弱い人の味方に

 
 「すべての人、すべての肌に、ポジティブな気持ちになれるサポートをする」ことを追求しているDECENCIA。何かをあきらめたり、我慢したりなど、肌状態によって起こってしまう不公平をなくすことを目指し、多彩なアプローチで商品を提供している。「敏感肌のお客様の肌実感が当社の強み」と話す山口裕絵社長に、近況や今後の方針を聞いた。
 ――現在のスキンケア市場をどう捉えていますか。
 「マスクを取って生活することが増えるという大きな変化があり、夏から秋にかけてスキンケアにフォーカスが当たっています。“攻めのスキンケア”への欲求が深まっており、各社ではエイジングケアで結果を出せるアイテムなどを投入し、ニーズに対応していると感じます。コロナ禍では、マスクで“年齢感”が隠れていましたが、改めて自分の顔を見て肌の土台からアップデートしたいという思いが強まっているのではないでしょうか。美容医療への関心が高まり、そのハードルが下がったことも大いに影響していると感じる部分ですが、“瞬間”“翌朝”といった即効性をうたう商品も増えて、美容への期待が大きくなっていると思います」
 ――その中で、貴社ではどのように存在感を出していきますか。
 「当社調査では、肌が弱いという不安、不満を抱えている人は、効果のあるものを使えないという思い込みがあることが分かりました。半数以上が、肌に優しいということは効果が弱いと思っており、積極的なケアをしない方が良いと、自分だけが何か取り残されてしまっているような気持ちを抱えているようです。当社は、そういう方の味方でいたいと思っています。優しい設計でありながら敏感肌用シワ改善アイテムなどを投入し、美肌につなげることができるなど、優しいけど効果が弱いといったトレードオフにならない提案を行うことが役割だと考えています」
 ――業績はいかがでしょうか。
 「2022年は21年よりも数字を落としましたが、新たに『ディセンシアシリーズ』を発売するタイミングで、戦略的にリニューアル前のトライアルセットの展開など新規顧客獲得の施策を絞ったことが影響したものです。23年はこの新シリーズが貢献し、プラスでの着地を見込んでいます」

 「敏感肌は持って生まれた肌質ではない」ことを訴求

 ――新シリーズでは、これまでと顧客獲得のアプローチを変えたと聞きます。
 「これまでは新規顧客を獲得するため、広告を展開し、非常にお得なトライアルセットを購入してもらってきました。ただ新シリーズでは、トライアルセットの価格を値上げしました。新規顧客数は減ってしまいますが『お得だから買って1回で終了』とならずに、吟味して購入してくれる方が増え、結果的に継続して長く使い続けてもらえるロイヤルユーザーにつながるケースが増えています」
 ――商品力が評価されたからこその動きと言えそうです。
 「審美眼の鋭い美容業界のプロからも高く評価され、過去最高の30以上のベストコスメを獲得しました。また、発売後にロイヤルユーザー、使い始めたユーザー、離脱してしまったユーザーといった方にお話を聞く機会があったのですが、肌に合うし、エイジングケア効果も感じると、お客様からも好評でした」
 ――ユーザーから様々な声をもらったとか。
 「敏感だった肌が落ち着いたので、他のブランドの商品も使えるようになったとうかがい、やや複雑な気持ちもありましたが“お客様にとってよいこと”だと思い、うれしい気持ちになりました。また、9月にはロイヤルユーザーを招いてリアルイベントを実施しました。“美の原点”で困ったことがあると戻りたくなる、という声もいただき『敏感で揺らいでいた肌が救われた』というお客様の実感が当社の強みであり、誰かの力になれていることを実感しました」
 ――「未来のシワまで、跳ね返せ。」をコンセプトに、9月28日に発売したシワ改善美容液「ディセンシア リンクルO/L コンセントレート」も話題です。
 「目元にかかる圧力の刺激は非常に強く、弾力があればそれを跳ね返せるのですが、加齢と共にコラーゲンが徐々に減っていくことでシワが目立ってきてしまうのです。そのため弾力を保つことは非常に重要で、有効成分・ナイアシンアミドを配合し、コラーゲン量のアップにつなげるという商品です。市場にシワ改善品はたくさん出てきていますが、全顔用、敏感肌用、オイル状という価値で差別化を図ります。効果のある商品を適量での使用量で使い続けることがスキンケア品には重要なのですが、新商品はツヤ感が出るので使い続けるモチベーションにつながることもメリットです」
 ――今後の成長に向けては、どのようなことを進めますか。
 「まずは商品を手に取って使ってもらうことが重要です。SNSなどを活用し、お客様に肌のこと、美容のことなど参考にできる確かな情報を地道に伝えていき、関心を高めたいと考えます。また普通肌や脂性肌の方が、ある日突然なってしまうことも多いのにもかかわらず、敏感肌は持って生まれたものだという誤解があるようです。妊娠、出産、更年期などのタイミングで肌がゆらぎ、今まで使っていた化粧品が急に合わなくなることもありますので、敏感肌は持って生まれた肌質ではなく、肌状態だと思ってほしいと考えています。ヒリヒリするけど商品を使い続けるのではなく、肌が敏感な状態になっていると認識してもらい、スポットでも選択肢に入るような存在になりたいと考えます」
 「当社では主力の『ディセンシア』シリーズ以外にも、プレミアムな『ディセンシー』シリーズ、より敏感肌の方に向けた『つつむ』シリーズなど充実したラインをそろえており、もっとスポットを当てていければ。トータルエイジングケア品、肌がきれいになるメイク品など、新たなカテゴリーの開発も進めていきたいですね」

 (詳細は「日用品化粧品新聞」10月16日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

各種お申し込み・お問い合わせ

CONTACT