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【圧力鍋協議会・伊藤彰浩会長インタビュー】進む機能の進化、高単価化

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【圧力鍋協議会・伊藤彰浩会長インタビュー】進む機能の進化、高単価化
圧力鍋市場 非電気圧力鍋の回復目立つ

 コロナ禍のおうち時間の増加で、電気圧力鍋がブームとも言える動きを見せ、販売規模も拡大した圧力鍋市場。ここ数年はその現象も落ち着く中、現在は、これまでと少し違った状況が見られるという。圧力なべ協議会の伊藤彰浩会長(ワンダーシェフ)に今年の市場動向や消費者トレンドなどを聞いた。

 ――圧力鍋市場の動向はいかがでしょうか。
 「生産台数の目安となる製品安全協会のSGマーク申請枚数(2025年4~9月)では、ガスにかける非電気の圧力鍋が前年比92%増と非常に高い伸び率を見せています。一方で電気を使う電気圧力鍋は苦戦しており、全体的には微増といったところです」

 ――これまで非電気圧力鍋はシュリンクしており、電気圧力鍋は伸びてきましたが、全く違う流れになりましたね。
 「非電気の好調の要因は一概には言えませんが、売れ筋が高価格帯、低価格帯の二極化が見られており、特に低価格帯の販売量が増えているようです。物価高などから、ガス代の削減につながる圧力鍋に関心を持ち、中でもシンプルなものを買う人が増えていることが考えられます」

 ――電気圧力鍋の動きが落ち着いた要因については。
 「電気圧力鍋市場はコロナ禍に大きく伸長しました。外出自粛を背景とした、自宅での調理需要の増加が起因していると思われます。現在は、その動きが一段落したといったところでしょうか。ただ、購入から5、6年が経ち、買い替え需要も見られそうなので、来年以降、徐々に数字が上がってくる可能性は十分あるように思います」

 ――電気圧力鍋の高単価化は機能の進化を背景としたものでしょうか。
 「かき混ぜることができたり、電気鍋として低温調理ができたりと、圧力をかける以外の高スペックなものが増えてきてはいます。高価格帯の商品が売れている背景には、こういった付加価値を魅力に感じている方が少なくないということではないでしょうか」
 
 ――SGマークが付いていない商品の日本での流通も増えているのでしょうか。
 「増えているかどうかは定かではありませんが、ECサイトでは、消費生活用製品安全法に則っていない海外の商品が販売されていることも見受けられます。中には、安全装置が付いていないものもあり、経済産業省では、PSCマークの付いた消費生活用製品安全法に準じた商品の販売を流通関係者に訴えています」

 ――業務用の圧力鍋市場についてはどうでしょう。
 「10ℓ以上の大きな業務用サイズは、当協議会としては対象にしていませんが、外食産業の活性化に加えて、人手不足や労働時間の改善の必要性などから、短時間でできる圧力鍋への需要は伸びています」

 ――協議会としてメンバー社増加に関する考えなどを聞かせてください。
 「5、6年前の電気圧力鍋ブーム時は、参入する企業が一気に増えました。しかし、現在、継続的かつ定番的に生産する企業は減っており、入会の呼び掛け先が少ないというのが現状です。ただ、当協議会は経済産業省との窓口にもなっています。製品安全協会とも常に情報を共有しており、情報がいち早く入ってくるというメリットがあります」

 ――入会のメリットは訴求していきたいところですね。
 「特に、協議会として重要視する安全性の向上については、消費者の方々を守り、業界や企業の発展を図るために、いち早く入手した情報を生かすことが大事になってきます。より多くの企業に入会いただき、業界の活性化をともに図っていきたいと考えます」

(詳細は「日用品化粧品新聞」12月1日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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