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【注目企業】桃谷順天館、ECサイト「コスメティックミュージアム」開設

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【注目企業】桃谷順天館、ECサイト「コスメティックミュージアム」開設
新スキンケアブランド「REGLAGE」展開

 創業139年の歴史を誇る桃谷順天館が、新たな価値の構築に向け、挑戦を続けている。今年4月には、ECサイト「Cosmetic Museum」(コスメティックミュージアム)をオープン。EC限定の新スキンケアブランド「REGLAGE」(レグラージュ)にて87アイテムの販売を開始した。“コスメ博物館”を愛称に掲げ、それぞれの人に合った商品を選べる点が特長で、これまでに培ってきた約6万通りの処方から厳選して商品化。「人と地球の美しい未来を創る」をパーパスとする同社らしい魅力を随所に盛り込んでいる。サイトやブランドの立ち上げを中心となって進めたデジタルマーケティング本部のメンバーの一人、石田成美氏にスタートの経緯や今後の方向性などを聞いた。

 ――これまでに開発してきた処方は約6万通りと聞きます。「コスメティックミュージアム」は、それらの処方を生かすことを考えて立ち上げたのでしょうか。

 「当社が139年の歴史の中で手掛けてきた商品は数多く、現在もお客様にご愛用いただいているものもありますし、販売店様の都合で生産をやめてしまったものもあります。そんな中、以前から、無くなった商品の復刻を望む声が、お客様の一部から聞かれていました。そういった声に耳を傾けて『ではどうしたらいいのか』と考え始めたのが『コスメティックミュージアム』立ち上げのきっかけです」

 ――そういう経緯があったわけですね。サイトで販売する「レグラージュ」はどういったブランドでしょう。

 「オンライン上でまるで博物館で化粧品の展示を見るように、好きな商品を好きなように選べて購入できるブランドとして立ち上げたのが『レグラージュ』です。レグラージュはフランス語で『調律』という意味を表します。加齢や環境のストレスなどで、不安定になる心と体、肌のバランスを調律するという思いを込めて名付けました」

 ――ラインアップやこだわりのポイントなどを教えてください。

 「ピーリング、クレンジング、洗顔、導入液、化粧水、美容液、乳液、クリーム、オールインワンを、それぞれのタイプ別にそろえています。『効果、成分、テクスチャー、香り、フリー条件』といった処方や、肌質に合わせて選んでいただける他、サイト上には、8問程度、約1分で完了する肌診断のコーナーも設けています。そこから一人ひとりに合った商品をおすすめしています。配合成分は、イソフラリッチやザクロエキス、ダマスクローズ、はと麦発酵エキス ブドウ発酵エキスなど、30代、40代の不安定な肌を整えるものを、商品によってバランスを変えて配合しています。香りは、当社の調香師による精油100%(※一部を除く)のこだわりの香りと無香料の2タイプを用意しました。同一商品で香りの有り無しを選べるようにすることで『テクスチャーは好きだけどちょっとこの香りは苦手』と思うお客様に、選択の幅を広げるよう配慮しました。購入については、単品だけでなく、何を使ったらいいか分からないという方に向け、3品をセットにした肌質別の3タイプを用意しています」

 ――細かな部分への配慮に強いこだわりがうかがえます。サイト及びブランドの立ち上げは、新設のデジタルマーケティング本部を中心に進めたとか。

 「デジタルマーケティング本部は『コスメティックミュージアム』を立ち上げることを目的に、2022年に設置されたものです。これまでの商品開発は、企画開発部などを通じて行っていましたが、今回は、主にSNSの運用や広告クリエイトなどに携わっているメンバーを集めたデジタルマーケティング本部と、研究部門のマイスターたちというそれぞれ個性の異なる者同士が協力して、お客様に関心を持ってもらうような伝え方、品質を追求しました」

 ――「レグラージュ」には特筆すべき点がいくつかあるようです。まず、容器は全てパウチを採用しています。

 「当社のパーパスでもある『人と地球の美しい未来を創る』を考えた環境配慮型の容器としました。そのまま使ってもらえるパウチで、最後まで使いやすく、また、詰め替えなどは不要です。更に、宅配時にポストインできる点も、再配達という無駄を減らせます。容器の廃棄時も、丸めて捨てられるのでゴミの量を削減できますし、プラスチックとガラスなどに分別する手間も省きます。また、梱包の箱の素材は、チョコレートの廃材のカカオ豆を使用しました。色味が少し茶色掛かっているのは、素材の色をそのまま出しているためです」

 ――使いやすさと環境への優しさを追求したわけですね。デザインも、アイテムごとにナンバーが振られているなど特徴的です。

 「デザインについても我々の部内で全て制作しています。お客様一人ひとりにあった処方のスキンケアを目指していることを表現するため、カルテのようにナンバーを記載しました。商品名を覚えていなくても『36番を購入』など、スムーズにリピートを促すことができます。ラベルの色も、ライトブルーは化粧水、パープルは美容液、ピンクはクリームなど、ひと目で分かるようにしました。サイズもコンパクトなので、旅行などの持ち運びにも便利ですし、外出先でも普段と同じスキンケアをしたい、という需要を取り込めます。ジムやサウナの後など、より幅広いシーンで効果を発揮できるものと思います」


(詳細は「日用品化粧品新聞」7月15日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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