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秋の大型新製品の販売動向を分析 バス・トイレ用洗剤は市場単価上昇

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秋の大型新製品の販売動向を分析 バス・トイレ用洗剤は市場単価上昇

 「バスマジックリンエアジェット」「ルックプラス泡ピタトイレの洗浄スプレー」が初動好調

 日用品化粧品分野では昨年、コロナ禍によりプラスとマイナスの影響を受けたカテゴリーの差がはっきりと表れており、今年もその状況は少なからず続いている。そんな中、各社がこの秋投入した大型新製品はどのような話題をつくり、どういった販売状況で推移しているのか。
 日用品の分野では「時短」の価値に改めてスポットが当てられている。特に洗剤の分野で、大手メーカーから新しい価値を持った新製品の存在が目立つ。在宅時間や巣ごもり需要の増加を背景に、家を掃除する機会が増え、取り分けこれまで掃除をしていなかった男性が参入しだしたことから、より手軽さや簡単さが注目されている可能性が考えられる。また、新製品の価格は、付加価値化によって従来品より高い設定が見られるが「男性は価値を認めれば多少高くても迷わず買う傾向が強いように感じる」(業界関係者)といったことから、時代のニーズにマッチしたことで市場に新たな風が吹いているようだ。
 話題を集める新製品の筆頭は、花王「バスマジックリンエアジェット」。誰でも楽に幅広くミストを噴射できる「連射ミスト」が特長で、新開発の速効分解酵素が浴槽に吹きかけて30秒待って洗い流すだけという簡便性を実現している。発売した9月8日の週から「主要な売り場のほとんどで大量陳列され、圧倒的な露出を見せた」(他メーカー関係者)ことで、一気に認知とシェアを拡大。「店頭価格が約500円と他の製品と比べ1・5〜2倍なのに、初めの1カ月ほどは販売個数も圧倒的にトップだった」(同)という好調ぶりを示した。
 続いて、ライオンの「ルックプラス泡ピタトイレの洗浄スプレー」。こすらず洗うタイプで先んじて投入した「ルックプラスバスタブクレンジング」のヒットに続く付加価値品として、流通関係者の評価が商談時から高かった一品だ。特長は、これまで洗いにくかった便器のフチ裏も、泡を噴射して60秒置いて流すだけという簡便性。「発売した9月15日からの1カ月間は、市場の平均単価を約10%引き上げることに貢献。発売2週目からシェアも5%から15%と3倍になり、単品ではトップシェアに躍り出た。
 
 好調な商品に「カルテHDクリーム」の名前を挙げる業界関係者多数
 
 リニューアルながらP&G「ジョイ」も好調。液体シリーズを全て「逆さジョイ」として展開しているもので、開閉のキャップが無く、軽く握るだけで中身の液体が出て、離せば液漏れすることなく出なくなるという日本初の構造でより楽な食器洗いを可能とした。更に「新しい使い勝手ももちろんだが、インパクトの強い店頭ボードのパッと見から、購入を決めた消費者も多いのでは」(流通関係者)。CMキャラクターを務める俳優の西島秀俊と神木隆之介が上下逆さまになって「逆さジョイ」をアピールするといった従来にないシュールな内容の販促物が、購買意欲を喚起する一因になっていることがうかがえる。
 スキンケアの分野では
、業界関係者から非常に動きが良いものとして名前が挙がるのが、コーセーマルホファーマの「カルテHDハンドクリーム」。保水有効成分「ヘパリン類似物質HD」を配合したもので、10月16日の発売以降、約2週間で約35万個を出荷。来年3月までの店頭販売目標100万個超を、これを上回るペースで推移している。テレビCMなどの大きなプロモーションは投下していないものの、化粧品コーナーを始め医薬品売り場などでも露出が多く、薬剤師がユーザーに推奨する形も取ることで、商品に対する安心感を醸成。同社では「ブランドの認知度も上がっており、手洗い、消毒の頻度増加で高まるハンドクリームの需要増を背景に、うまくマッチした」と手応えを示している。
(詳細は「日用品化粧品新聞」11月22日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)

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