寄稿【user's VOICE】洗濯用洗剤/柔軟剤

平均購入金額、この1年で洗剤147円、柔軟剤154円増
「洗濯用洗剤」と「柔軟剤」に着目し、新型コロナ感染拡大前(2019年)感染拡大後(20年)における購入状況を分析する。POB(マルチプルID—POS購買理由データPoint of Buy)会員が購入したレシート1枚あたりの平均購入金額を見ると「洗濯用洗剤」は、19年が412円、20年が559円と147円増加。「柔軟剤」は405円から559円と154円増加していた。 いずれも平均購入点数に変化はないが、レシート表記から商品タイプを見ると、本体以外の詰替用や、大容量タイプの伸長、消費者ニーズを取り込んだ機能性の充実により、販売単価が上昇していることがうかがえる。
冷涼感得る「ハミング涼感テクノロジー」に注目
洗濯用洗剤、柔軟剤の機能として「抗菌」「消臭」「防臭」など、においや菌に対する商品が市場をリードしていたが、今までの柔軟剤にはなかった“衣服を涼しく仕上げる”新しい価値提案で注目を集めているのが、花王「ハミング涼感テクノロジー」(20年4月発売)。汗をかいた後に、衣類内にこもる熱気を放出し、暑さ対策の需要を取り込むべく開発された商品で、購買コメントでは「冷やす効果がある柔軟剤は使ったことがなく、店頭で特売のところ興味を持ち購入」や「CMで“涼感”というワードが気になっていた。急に暑くなってきたので、子供たちの制服シャツに試したい」など、今までにない“涼しさ”を打ち出した訴求が購買につながっていることや、「コロナでマスクを着用する生活で、毎日が暑く感じていたため購入」「いつもは部屋干し用だが、暑くなってきたこともあり今回は涼感を選択」など、コロナ禍による生活の変化及び季節や目的に合った柔軟剤の使い分けをする人に選ばれる傾向にある。 日々使うものだからこそ、消費者に支持されるべく企業努力により、新しい機能が開発されている。今後の進化に期待したい。(ソフトブレーン・フィールドPOB推進部)
(詳細は「日用品化粧品新聞」6月14日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)