「美容プラットフォームLIPSの軌跡 第2回」【寄稿】
AppBrewが運営する美容クチコミプラットフォーム「LIPS」は「なりたい自分を、もっと自由に。」をコンセプトに、商品の発見から購入、レビューの投稿までシームレスな体験を提供している。本連載ではローンチから6年を迎え、累計1000万ダウンロードを目前に控えた現在までの成長の軌跡をお届けする。
第2回 広告事業の立ち上げと成長
ローンチからわずか9カ月の2017年1月にAppStoreの無料総合ランキング1位を獲得した「LIPS」。若年層に認知が勢いよく広がり始めたタイミングで、更なる成長を目指し広告事業の立ち上げを行った。とはいえ、化粧品メーカーとのコネクションは無く、クライアントの開拓はゼロからのスタートだった。当時は競合が少なく、コスメ熱量が高い若年層の女性が多く集まる美容プラットフォームはブルーオーシャン状態。まずはブランド専用の情報発信ページ(現「LIPS for BRANDS」)の提供を開始した。LIPSにはコスメ(アイシャドウやリップ等)の全色レビューなど、質の高いクチコミが多いことから、広告実績が無いにも関わらず、1カ月で約20社程の担当者が話に耳を傾けてくれた。ある時には機能実装が間に合わず、商談中にリアルタイムでエンジニアが作業するなど、まさに激動の日々であった。
その後18年初頭に、現在の人気広告メニュー「LIPSサンプリング」を開始。ブランドから商品の提供を受け、ユーザーが使用してLIPS上にクチコミを投稿してもらう取り組みだ。ブランド担当者にヒアリングをする中で、良質なクチコミを自社の製品でも蓄積していきたいという声が多く上がり、実施に至った。自信を持って提供したものの、初めての取り組みに不安はつきもの。だが結果的に、ブランドからも驚きの声が上がるほど想像を遥かに上回る何千人もの応募があった。投稿率や投稿内容も不安要素だったが、投稿率は非常に高く、LIPSならではの熱量の高い投稿で溢れていた。
現在も人気の「LIPSサンプリング」
地道なヒアリングとスピーディな実装を行ったことで、広告事業は順調に拡大。現在、累計出稿ブランド数は約500となり、今では新商品の発売プロモーションの際に、ブランド側が最初にLIPSを選んでくれるまでに大きく成長した。
その後も勢いを止めることなく、ローンチ1年半で100万ダウンロードを達成。ユーザーから高い支持を得るサービスとなった。18年10月には総額10億円の資金調達を実施し、同年には初のテレビCMを全国でオンエア。更なる新規ユーザー獲得を行い、メディア市場での存在感をより高めていった。 (AppBrew VP of Sales 鈴木光)