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【日やけ止め市場】2023年の累計出荷実績は個数15.0%増、金額28.1%増

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【日やけ止め市場】2023年の累計出荷実績は個数15.0%増、金額28.1%増
使用者の増加を受け、多彩な付加価値を提案

 毎年のように、メーカー各社から新たな剤型、新たなアプローチが見られる日やけ止め。メーカー各社は商品において多彩な選択肢を提供するだけでなく、紫外線対策の重要性も積極的に啓発してケア意識向上につなげ、日差しが強まる時期以外にも年間を通して活用するユーザーが増えている。活況を呈す市場の動向を追った。

 24年序盤から好調なスタート

 経済産業省の統計によると「日やけ止め及び日やけ用化粧品」の2023年1~12月の累計出荷実績は、個数が前年比15・0%増、金額が同28・1%増と大きく伸長した。夏場に気温が高くなり、残暑も長引くなど、UVケア意識への関心の高まりにつながる気候条件も大きかったと見られるが、1年を通じて好調に推移しており、以前はオフシーズンだった時期にも引き合いが強まり、年間商材となっている様子もうかがえる。需要期に向けて重要な時期となる5~6月の気温が低かったなど天候要因も影響し、個数0・0%減、金額13・7%減と不調だった22年の市場から、盛り返した形だ。

 「使用習慣が根付いて通年使用する人も増えており、従来のオフシーズンでの伸び率の方が高い。紫外線対策意識も高まり、ユーザーが早め早めに予防するようになっている」(メーカー担当者)という動きは顕著で、24年も年明けから好調に推移。1~2月で市場が3割ほど伸びているというデータもある。実際に、ロフトの旗艦店である渋谷店の日やけ止めの販売実績は、2月に前年比30%増と伸長。花粉バリアや香り付き美容液、冷感タイプといった機能面の付加価値、ミストやスティックタイプといった剤型の多様化などが、生活者に受け入れられているようだ。

 成分立たせた商品訴求も活発化

 また「成分コスメ」への関心の高まりは日やけ止めへも波及しており、メーカー各社が訴求を強めている。この春の新商品でもビタミンCやヒアルロン酸、ハトムギなど、人気のある成分を用いて肌効果につなげていることをアピールしているケースが目立つ。紫外線カット効果だけでなく、肌への優しさや心地良い使用感、使った後の潤いなどを重視するユーザーは増えており、今後も配合成分に注目されるケースは増えていくと見られる。

 更に、サステナブルな動きも引き続き強まっている。海外でのビーチでの使用規制成分に配慮したり、海の汚染やサンゴの生育に影響しないなど海洋環境へ配慮したりという動きに加え、従来多かったブリスター包装からシュリンク包装へパッケージを切り替え、プラスチック使用量削減につなげるケースは、各ブランドで取り入れられている。

 なお22年12月にスタートした、紫外線防御に関わる耐水性効果を表示する「UV耐水性」は、多くのアイテムで表記が見られるようになった。国際的な測定法が定まっておらず各企業に委ねられていた耐水性について、消費者が性能を比較し、適切な選択を可能にすることを目的として日本化粧品工業連合会が発出したもの。メーカー担当者は「細かいことは分からないが何となく高い方が良いとして手に取られているようだ。例えばレジャーシーンではこのようなアイテムが適しているなど、理解を深めてもらうため啓発を続けていきたい」と今後の展開を見据える。


(詳細は「日用品化粧品新聞」3月25日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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