日用品・化粧品・生活用品業界の専門紙

HOME(2022) > 業界ニュース > 特集 > 【虫ケア用品・殺虫剤市場】各社新商品発表、「高単価化」更に推進

業界ニュース

【虫ケア用品・殺虫剤市場】各社新商品発表、「高単価化」更に推進

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【虫ケア用品・殺虫剤市場】各社新商品発表、「高単価化」更に推進
市場金額は過去最高更新、進む年間商材化

 虫ケア用品・殺虫剤大手3メーカーの新商品が出そろった。一昨年の市場は、各社の値上げや、長引く残暑などから前年比7%増の約1290億円に拡大したが、昨年は6%増、過去最高を更新する約1370億円となった。一方、数量は一昨年が0・4%減、昨年が0・9%増と微減微増で推移。今年の各社の商品展開、販売戦略を見ると、昨年も平均単価が約5%アップしたように「高単価商品」の拡販により、市場を更に拡大する狙いが見て取れる。

 コロナ禍の2020年、おうち需要の高まりで規模が拡大、以降その反動で緩やかに縮小した虫ケア用品・殺虫剤市場。前述のように23年、24年は一気に回復から成長へと転じた。気温に左右されやすいという市況の特長は変わらずだが、秋冬期の気温の上昇、という気候の変化による「年間商材化」が進み、一年を通して店頭の棚が確保されるようになった。あるメーカーの試算では、残暑のプラス分で昨年は13億円の売り上げがあった。加えて、季節商材の課題でもある「返品」も着実に削減できているという。
 「ゴキブリ用」「ダニ用」が引き続き大きく伸長
 対象害虫別では「ゴキブリ用」が7・7%増、「ダニ用」が13・0%増と引き続き拡大。「ハエ・蚊用」も2・2%増だった。剤型別では、最も規模の大きい「空間用虫よけ」が、春先の気温がいま一つ上がらなかったことなどから2・3%減と振るわなかった。今年は気温の動向が順調であれば、プラスに転じることが期待される。
 また、大日本除虫菊が昨年発売した、火もコンセントも電池も使わない、置いておくだけで蚊を駆除する「シンカトリ」の発売により、同社が「屋内の蚊の駆除」という使用シーンが同じであることからカテゴライズする「液体蚊取り」市場が、ダウントレンドの中、昨年は15・5%増と跳ね上がった。
 進む年間商材化。大手3メーカーの今年の商品戦略
 メーカー別では、トップシェアメーカーのアース製薬が、これまで年明けの1月に行っていた商談会を、今年度は11月に行った。年々早まる店頭の早期立ち上げに対応しただけでなく、リーディングカンパニーとして年間商材化の浸透をより一層加速させる狙いがある。
 商品面では、昨年はインパクトの強いパッケージで若年層の開拓を図った「ゴキッシュ スッ、スゴい!」が販売計画を大きく上回る実績を残した。昨年7月には「1年に1度の徹底ケアを!」を掲げた、効果が長期間続く「ゼロノナイト」シリーズに「ゴキブリ・トコジラミ用1プッシュ式スプレー」を追加。高単価品で市場拡大、平均単価のアップに貢献したと自負する同シリーズの拡販を進める。
 また、今年の新商品では、肌への優しさなどを強く訴求した、「サラテクト」シリーズとは異なる「はだまもミスト200mL」の投入で、虫よけ剤新規及び未使用層の取り込みを狙う。
 「シンカトリ」で話題を集めた大日本除虫菊は「シンカトリ」の徹底した拡充を図る。新たな使い方の商材だけに、認知不足による販売苦戦の懸念はあったようだが、昨年は販売金額23億円、台数200万台を達成した。今年は認知度がまだ11%と決して高くないことから、更なるアピール強化で勢いを加速させる。
 人気の「ムエンダー」シリーズは、第6弾となる「コバエムエンダー」を投入。昨年は「ダニムエンダー」が、従来のようなダニのいそうなところにスプレーするタイプではなく、空間にプッシュするだけで、室内のダニを駆除するという効果を特長にヒット。それに続く一品として期待をかける。
 フマキラーは、噴射パワーを従来品比2倍にした「フマキラーワンショット未来」を投入する。ハエや蚊、ゴキブリなど虫への付着性を高め、オイル処理量を大幅にカットしてにおいを抑え、室内でも安心して使えるメリットを生かし、やや縮小傾向にあるエアゾールカテゴリーの回復を図る。ワンプッシュ剤型の「お部屋の虫キラーワンプッシュ(320畳分)」では、改良する「同(160畳分)」と共に、最大100種以上の飛ぶ虫、はう虫に効果を発揮する点を訴求する。
 更に、昨年、10%増という市場成長率を上回る26%増を果たした人体用虫よけでは「スキンベープミスト」が10年連続シェアナンバーワン、「天使のスキンベープ」などイカリジン配合品でも高いシェアを獲得中。更なる強化へ防災用品や花火などと組み合わせた売り場づくりにも力を入れるなどクロスMDで需要の顕在化を図る。

(詳細は「日用品化粧品新聞」2月3日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

各種お申し込み・お問い合わせ

CONTACT