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【マスク市場】ニーズ多様化、市場は安定成長へ

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【マスク市場】ニーズ多様化、市場は安定成長へ

 降って湧いたように始まったコロナ禍の影響で、マスク市場は規模こそ大幅に拡大したものの、業界内外の様々な動きから一時はイレギュラーな状況に陥っていたが、最近は徐々に安定感を取り戻しつつある。ここにきてコロナの感染拡大は落ち着きを見せつつあるものの、ニーズは多様化する方向にあり、需要自体も高止まりの傾向にある。最近の動きと各社の施策などを追った。

供給量は増加、高性能品化へ
 まず市場動向を振り返ると、昨年のマスク市場は、それまで経験してきたパンデミック時を遥かに凌ぐレベルで需要が急拡大した。参入メーカー、流通各社はいずれも生産、配送、店頭化に腐心した一年となった。市場規模も月間の前年比が3~8倍と跳ねる異常値が続出したことは記憶に新しい。不織布と異なる素材を用いた製品も数多くの業界から相次いで登場し、話題を集めていた。ほどなく、海外も含めて参入企業も増加の一途をたどる。現在、業界団体である日本マスク工業会の会員数は200社を大きく超えるまでに拡大、更に加盟の申請が続いているという。
 市場自体は今年に入って変化を見せるようになってきた。大手メーカーの試算によると、ユーザーの使用枚数は微増が続いているものの、金額面では前年に平均単価が高騰したことの反動から前年割れする月が多くなったという。ただし、既存のメーカーも新規参入組も供給体制が整いつつあることで「前年のように欠品が続いたり、高価すぎる製品が乱立したりするなど異常な状況はほぼ無くなった」(大手メーカー)。
 今年の具体的な数字については各社の見方によっても分かれるところだが、1~6月の金額実績は約1200億円、前年比80%と推計されている。これでもコロナ前の19年との比較では3倍近い伸びとなる計算だ。

拡大した市場規模は継続
 7月から年末に掛けては、それまでと同様に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が各地で繰り返し発令されてきたことや、ワクチン接種が進んできたことなどもあって、市場動向を予測するのは難しい状況だという。最大で前年並み、最小で3割減という見方がされているが、この通りに推移すると仮定しても、コロナ前の3~5倍程度に拡大した市場が継続することになる。
 今後の動きを占う上で重要になるのは、ユーザーのマスク使用率や使用枚数と言える。昨年は使用率が5倍、使用枚数が2倍以上に高まり、今年もこの水準を維持して推移している。合わせて、供給量の少なさから高騰していた1枚当たりの単価も落ち着きを見せつつある。
(詳細は「日用品化粧品新聞」10月11日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)

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