花王グループカスタマーマーケティングが社長交代で会見、中尾良雄新社長が語る抱負と決意

これから世の中をどう見て対応していくが重要に
花王は3月13日、東京都中央区の本社で、花王グループカスタマーマーケティングの社長交代に伴い竹内俊昭現社長、中尾良雄新社長(3月24日付、現副社長)がそろって会見を開いた。
冒頭、竹内社長が退任のあいさつに立ち「2014年3月に就任し、当時は想像もできなかったことが起きたというのがここまでの印象。変化の速さと大きさを非常に感じた9年間だった。最近3年間はコロナ禍で世界中が変化し、インバウンドによる売り上げがゼロに近くなり、一方で衛生関連商品が大きく伸びたものの、化粧品の需要は下がった。日用品・化粧品市場のアップダウンが大きかったと言える」と振り返りつつ「流通環境も変化し、今後もITが進化すれば更に変化が続くと思われる。店舗や売り場、販促も一段と変わっていく。業種・業態の垣根も変わっていくかもしれない。これから世の中をどう見て対応していくが重要になる。中尾新社長による舵取りとなるが、今まで以上に良いビジネスになると思われるので、引き続きよろしくお願いしたい」と結んだ。
変化を捉え、チャンスに
続いて中尾新社長が「入社以来、販売部門で13年、事業部門で19年、花王の『よきモノづくり』に携わってきた。この経験を生かし、非常に厳しい市場環境だが、まずは国内事業の盤石化が当面の重要なミッションだと認識している国内事業の盤石化に取り組む。動きが速い環境の中、花王の成長を確かなものにするためには、その変化をどれだけチャンスに変えられるかがポイント。そのためにも、環境によって生活者の生活意識・行動をどれだけタイムリーに捉え、プロモーションや情報発信、売り場づくりを販売店と一緒に行えるかが鍵を握る」と述べた。ちょうどこの日にマスク着用が個人の判断に委ねられたことを受けて「電車内で数人、マスクを外している方を見掛け、ここから変化が起こるとの予感を持った。この動きが加速すれば、口紅やファンデーションを使う機会が増える。2月中旬以降は人流が回復し、気温も高まった局面ではUV、ボディケア、ヘアメイクなどの伸びが顕著になっている。また、生活者との接点も変化している。EC拡大に伴い、リアルの売り場は情報確認の場、あるいは体験の場へとシフトしていると言われる。この流れにはしっかり対応するとして、更にチャンスは宿泊施設、飲食店、商業施設、映画館など、人が多く集まるインフラにある。こんなところに、こんな商品がある、こんな体験ができるという点が、生活者を動かす大きなキーとなる。積極的に仕掛けることで、商品とブランドのタッチポイントが新たにつくり出せる」と方向性を示した。
(詳細は「日用品化粧品新聞」3月20日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)