「@cosmwベストコスメアワード2023上半期新作ベストコスメ」発表、メイクが4年ぶり総合大賞
総合大賞は「ディオールアディクトリップマキシマイザー」
本紙既報の通り、アイスタイルは寄せられたクチコミ投稿をベースに、支持されている商品を表彰する「＠ｃｏｓｍｅベストコスメアワード２０２３上半期新作ベストコスメ」を発表した。これに伴い６月８日、東京都渋谷区の＠ｃｏｓｍｅ ＴＯＫＹＯで発表イベントを実施した。
「＠ｃｏｓｍｅベストコスメアワード２０２３上半期新作ベストコスメ」の対象は、昨年11月１日から今年４月30日までに発売された商品３７２７アイテム。例年、12月に発表する「＠ｃｏｓｍｅベストコスメアワード」の上半期における新人賞の位置づけとしている。
総合大賞に輝いたのは「ディオールアディクトリップマキシマイザー」で、４年ぶりにメイクアップ品が受賞し「アフターコロナにおけるメイク熱復活を象徴」（遠藤宗社長）する結果となった。２００７年に初代アイテムが登場して以来、16年ぶりのリニューアルで24色展開となった同品のクチコミには「マスク 外す」「テンション 上がる」といったワードが見られ、マスクを外す機会が多くなる状況の中、使う楽しみをもたらしてくれることから引き合いが強まっている様子がうかがえた。実際、商品へのクチコミで特徴的だったのは「マスク 付く」「マスク 付かない」というフレーズの出現率が、リップカテゴリー全体に比べて大幅に低かったこと。「マスク移りを気にせずに、ツヤを楽しみたい」というユーザーの気持ちが強い支持として表れたようだ。
一方で、マスク崩れの悩みは引き続き増加しているといい、マスクに付かないことを訴求するコスメも多数受賞品として挙がった。メイクに関する関心も高まっているようで、＠ｃｏｓｍｅメンバーへの調査では、ファンデーションやチーク、アイメイク、リップメイクが薄くなった・しなくなったとの回答が半年前と比べて大きく低下したという結果が見られた。
イベントでは冒頭、遠藤社長があいさつし「コロナの規制が緩和し、百貨店の化粧品カウンターなども盛況で、＠ｃｏｓｍｅ ＴＯＫＹＯも先月は過去最高売り上げを達成した。生活者が動き出したことを肌で感じている。インバウンドも徐々に増え、当店も免税売り上げが20％を占めるようになった。化粧品需要はますます高まっていくのでは」と好調な市況を解説。「ネットとリアルをうまくつなぎ、生活者の体験機会をいかにつくれるかが大切。メーカーさんと一緒になってそれを進めていきたい」と今後の施策にも触れた。
下半期トレンド予測は「鼻意識（びいしき）向上」
また当日は、＠ｃｏｓｍｅ投稿のクチコミの中で出現率が優位に上昇したワード、＠ｃｏｓｍｅ店舗での売り上げ分析、ユーザー調査、美容プラットフォーマーとしての独自知見などを元に、「＠ｃｏｓｍｅトレンド予測部」が選出した「下半期トレンド予測」も発表。これまでマスクの下に隠れていた鼻が注目パーツになり、鼻ケアアイテムや鼻メイクで使うノーズシャドウ、シェーディングの売り上げも順調なことから「鼻意識（びいしき）向上」などを取り上げた。更には無加工風の自分を魅力的に見せたいという意識がＳＮＳを中心に強まっていることから「＃無加工主義」、マスクで隠れていた部分があらわになったからこそ今一度肌を見つめなおす機会になりそうなことから「スキンケア欲再燃」、調味料などでキャップ付きのパウチ型商品が増加中で、詰め替えの手間が無いなどの実用性とＳＤＧｓへの貢献を両立できるアイテムとして化粧品でも広がっていくのではないかということから「スパウトパウチ」、ブランドの世界観に浸れる施設のオープンや大型店舗でブランドジャックしたイベントが増加中ということで、今後も“没入型店舗”を展開する動きが広がりそうということから「イマーシブ消費」も注目のワードとして提案した。その後、＠ｃｏｓｍｅリサーチプランナーの西原羽衣子氏、＠ｃｏｓｍｅ編集部の尾崎舞子氏、＠ｃｏｓｍｅ ＴＯＫＹＯスタッフのウトン光恵氏、＠ｃｏｓｍｅビューティーアドバイザーの村上宏明氏がそれぞれを解説した。
なお６月９日には、オンラインで上半期新作ベストコスメ解説会を実施。＠ｃｏｓｍｅリサーチプランナーの西原氏、原田彩子氏が受賞商品のクチコミ、意識調査などの関連データから分析した生活者インサイトを解説した。
（詳細は「日用品化粧品新聞」6月19日号／または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
