【ライオン会総会】協力関係強化へ意思統一

ライオンは2月6日、東京都千代田区の帝国ホテルで、取引のある卸売業各社と構成する「ライオン会」の総会を実施した。昨年就任し同会では初めて登壇した竹森征之社長を始め幹部が、出席した全国の卸店トップ(ライオン会147社、薬品ライオン会5社)を前に、昨年の事業を振り返ると共に、今後の取り組み方針を示し、相互の更なる成長と市場活性化へ向けて意気込みを明らかにした。
「オクチューン」発売で膨らむ市場拡大の期待
冒頭、ライオン会会長を務める竹森社長が会務報告に続いて「生活防衛意識が高まる中での変化の兆し~『習慣づくり』による挑戦~」と題して経営戦略を説明した。「かつて実施した、寝る前の歯磨き習慣の提案は、現在ではすっかり定着した。習慣づくりは、これに伴い使用される商品、新たな市場をつくり出す有効な手段。人口減少が進む中では、持続的な市場成長を実現する、極めて有効な道筋の一つと考えている」と語り、中長期経営計画でも掲げる「習慣づくりを通じて人々の心と体のヘルスケアに、地球環境保全に貢献し、社会価値を創出することを目指している。同時に習慣づくりを進化、拡大させることにより、2030年は売上高6000億円、事業利益500億円の規模まで成長を果たしていきたい」と述べた。一方で「原材料高騰が生活コスト上昇につながり、生活防衛意識が高まった。日用品市場でも、付加価値の高いプラスワン商品の使用頻度の減少により市場が縮小した。しかし、昨年後半に値上げの定着もあり、市場が回復する基調にある。物価上昇に賃金上昇が追い付いていない中でも、こうした動きが見られるのは、節約疲れもあるが、新たな購買行動が生まれつつあると捉えている。当社ではより良い習慣『ポジティブハビッツ』を提案しているが、ポジティブな人は習慣づくりを加速させるなど、市場拡大にもつながる」と語り、オーラルケア習慣、清潔・衛生習慣といった重要な社会的価値を実現していくとした。
具体例として、オーラルケア分野から今春発売する新ブランド「オクチューン」を挙げ「新たなオーラルケアの習慣づくりに挑戦していく」との考えを示した。加えて「より良い習慣づくりは決して簡単ではないが、皆様と一緒に成し遂げていくためにも、個社では実現できない大きな力を獲得するため、製配販それぞれの、様々なストロングポイントを融合させ、合体させ、結合させ、増やしていく必要がある。積極的に“共創”することで、より良い習慣づくりを、より短期間で成し、より良い社会を実現していきたい」と結んだ。
続いて、浦尾康弘執行役員ヘルス&ホームケア事業本部長が事業方針を、この中で大塩繁生オーラルケア事業部長が「オクチューン」の展開について説明した。
最後に、三國正晴上席執行役員ヘルス&ホームケア営業本部長が営業方針の説明に当たった。「新たな柔軟剤『ソフランエアリス』を発売し、市場拡大に貢献できたものの、この商品自体はまだ皆様のご期待に応えきれていない。香りの残り方という独自の機能を訴求し、その世界観を伝えながら、更なる貢献を果たしていきたい。衣料用洗剤『ナノックスワン』は、多くの方々に新たな価値を体験していただくことができた。リピートを加速できるような販促策を進めていく。ぜひご期待いただきたい」と語った。また、昨年実施した取引制度の改定とその後の成果を振り返ると共に、営業面、物流面での連携強化をこれまで以上に図っていく意向を明らかにした。その上で今年は「単価UPの加速」をキーワードに、高付加価値化の加速と汎用品の売り方改善を進めていくという。
(詳細は「日用品化粧品新聞」2月12日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)