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【コーセー】2023年12月期決算

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【コーセー】2023年12月期決算
グローバル展開 更に加速

 コーセーの2023年12月期決算は、中国及び韓国での売り上げが大幅に減少した一方、日本市場、更に欧米を中心に展開する「タルト」が実績を大きく伸ばしたことにより、売上高は前年同期比3・9%増の3004億600万円だった。利益率の高い中国、韓国でのトラベルリテール事業における大幅減収に加え、マーケティング費用、人件費が増加した結果、利益面は減少した。

 決算発表に伴い2月14日、東京都中央区の本社で説明会を実施。望月愼一経理部長が概要を報告し、小林一俊社長が今後の取り組みを解説した。

 セグメント別では、化粧品事業の売上高が2・3%増の2404億5000万円。ハイプレステージブランドではアルビオンの「エレガンス」「タルト」が大きく伸びた一方で「コスメデコルテ」が中国・韓国のトラベルリテール事業の苦戦、中国の景気回復の遅れや競争環境激化で減収した。プレステージでは「雪肌精」や「ONE BY KOSE」の回復基調が継続した。コスメタリー事業は10・4%増の576億5600万円。「ヴィセ」「メイクキープシリーズ」、コーセーコスメポートの「クリアターン」が好調で大幅プラスとなった。

 地域別では、国内売上高は16・4%増。百貨店・専門店チャネルのハイプレステージに加え、ドラッグストアなどのマス市場でもヒット商品に恵まれた。アジアは34・7%減。上期は緩やかな回復傾向も、下期に消費低迷や処理水問題の影響で減速した。また北米・欧州・その他は27・7%増。過去最高売り上げを更新した「タルト」が各地域でリードした。

 24年12月期は、中国ではトラベルリテールを中心に徐々に持ち直しを予測。日本では景気の緩やかな回復が続く見通しとし、10%超の成長を見込む。

 説明会で小林社長は、2023年は「グローバル」「ジェンダー」「ジェネレーション」の“3G”を基盤とした“お客様づくり”に取り組んできたと振り返り、大谷翔平選手を起用したグローバル広告などの成果を強調した。24年の重点取り組みには「ブランドのグローバル展開の加速」「企業の成長を支える経営基盤の構築」を掲げ、国内でハイプレステージ市場での更なるプレゼンスの向上やマス市場でのシェア拡大を図りつつ、中国ではブランド価値向上と事業収益性の改善を図り、欧米・ASEAN・インドなど新たな市場の開拓を推進。ものづくり部門を束ねる商品本部を設置し、フランス支店の新設やASEAN・インド統括責任者の派遣による海外事業の強化を図ることなども明示した。

 その後、自社のトピックスとしてコーセーインダストリーズ社長を務める小林正典常務商品本部長が生産面の方針を紹介。更にコーセーインダストリーズ常務管理本部長の黛博道執行役員生産部長が南アルプス工場の建設開始と今後の計画を取り上げ、コーセー化粧品販売副社長の太田学執行役員が日本販社の戦略について触れた。

 連結

 ▽売上高=3004億600万円(前年同期比3・9%増)▽営業利益=159億8500万円(同27・7%減)▽経常利益=202億5200万円(同28・7%減)▽親会社株主に帰属する当期純利益=116億6300万円(同37・9%減)

 次期見通し

 ▽売上高=3120億円(前年同期比3・9%増)▽営業利益=200億円(同25・1%増)▽経常利益=208億円(同2・7%増)▽親会社株主に帰属する当期純利益=126億円(同8・0%増)


(詳細は「日用品化粧品新聞」2月19日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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