【ライオン25年12月期決算】高収益事業の育成続く

ライオンの2025年12月期決算は、売上高4220億9200万円で前年同期比2・2%増、恒常的な事業の業績を測る同社独自の指標である事業利益も16・8%増と高い伸びが続き、当初公表していた計画を2期連続で達成した。決算発表に伴い2月12日にオンラインで説明会、13日には東京都中央区の鉄鋼会館で記者懇談会を開き、竹森征之社長、福田健吾副社長、鈴木均副社長、新井将英執行役員らが業績の詳細や今後の方向性を説明した。
下期発売の新商品モメンタム加速へ
説明に当たった竹森社長は同決算について、中期経営計画「Vision2030 2nd STAGE」の戦略を着実に推進してきたことで増収増益、マージンの改善などにつながり「収益力の強靭化」が進んだとして、今後の目標達成に向けて自信を示した。
事業利益は44億円増加し、商品の高付加価値化・値上げで36億円、売り上げの増減や構成変化で15億円、コストダウンで17億円の効果をもたらした。一方、原材料価格の影響で17億円、減価償却費や人件費、R&D費用などの増加で22億円のマイナス。「進めてきた収益構造改革が狙い通りに進展している」(竹森社長)という。
セグメント別の業績は、一般用消費財の売上高が1・6%増、海外も3・6%増、事業利益はそれぞれ2割以上伸ばし、共に増収増益となった。
また、一般用消費財のうち分野別売上高は、最重点事業と位置付けるオーラルヘルスケア分野で主力ブランドの高付加価値・高価格帯のハミガキがリードして成長につなげた。新商品「デントヘルス薬用ハミガキDXプレミアム」も貢献し4・7%増。洗濯用洗剤が堅調に推移し、柔軟剤も「ソフランアロマリッチ」の好調な推移で減少幅を縮小しているファブリックケア分野は1・8%減となったものの、構造改革施策の効果で収益性を大きく改善した。「キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープ」が引き続き好調で、更に販促を強化した「キレイキレイ泡ハンドソープ」も拡大したビューティケア分野は2・3%増。高付加価値商品「ルックプラスバスタブクレンジング」「同トイレクレンジング」が好調に推移しつつ、低収益の商品を削減した影響でリビングケア分野は2・2%減だが、商品ミックスの改善が進む。インバウンド向け商品が引き続き好調、高価格帯の点眼剤も企画品導入で堅調に進む薬品分野は3・9%減ながら、事業やブランド譲渡の影響を除けば2・1%増だった。
海外事業は、環境変化に伴う量的成長の鈍化が見られたが、従前から進めている収益重視マネジメントが奏功し増収増益を確保した。このうち東南・南アジアでは、店頭施策強化でオーラルヘルスケアが大幅に伸長し、またリニューアル効果で液体洗濯用洗剤も大きく伸びたマレーシア、新たに連結化したベトナムの上乗せなどで、事業利益を7割伸ばした。地政学上の問題でカンボジアへの輸出減が続くタイでは、パーソナルケア分野の拡大で同国内の事業を堅実に進めている。
北東アジアは売上高3・2%減、事業利益4・5%減。中国では高付加価値の新商品効果で好調を持続、また重点管理販売店の拡大を中心としたオフラインチャネルの強化も奏功して増収を確保した。韓国は周辺国への輸出が減少する反面、取扱品目の拡大や国内事業強化でカバーし、回復基調にあるという。
2nd STAGE初年度の取り組みと2年目の主要課題
中期経営計画の初年度となった2025年度は、特に一般用消費財の収益構造改革に注力してきたが、懇談会ではこの点についても説明した。これによると、「主要政策が順調に進捗し、マージンが改善されてきている。また、下期に発売した新商品が売り上げモメンタムを加速させた」(竹森社長)という。
収益構造改革のうち、高付加価化と値上げによる効果が36億円で、目標を1億円ほど上回った。SKUの削減は65に上り、こちらも目標を超えて進んでいる。事業分野の峻別では、調理関連品ブランド「リード」の譲渡を完了、競争費用の効率化の面では27年の売上高競争費率目標が2023年比でマイナス2Pなのに対して1・5ポイントまで達した。収益性向上を課題としていたリビングケア分野では、高付加価値の新商品の伸びが市場を上回り推移していることを挙げた。
26年度は、海外の主要国を中心に厳しい事業環境が続くと想定される中で、グループ全体で高収益事業の育成に努め、引き続き収益力の強靭化に向けた施策を加速していく考え。
連結
▽売上高=4220億9200万円(前年同期比2・2%増)▽営業利益=363億6800万円(同28・1%増)▽税引前利益=394億3300万円(同22・3%増)▽当期利益=310億4900万円(同29・0%増)▽親会社の所有者に帰属する当期利益=275億8700億円(同30・1%増)
次期見通し
▽売上高=4300億円(前年同期比1・9%増)▽営業利益=400億円(同10・0%増)▽親会社の所有者に帰属する当期利益=250億円(同9・4%減)



