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「ピップエレキバン」50周年 ~名品の歴史を辿る~

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「ピップエレキバン」50周年 ~名品の歴史を辿る~

 今年発売50周年を迎えた「ピップエレキバン」。磁気の力で血行を改善し肩のコリをほぐす磁気治療器として、この50年間、人々の生活に絶えず寄り添ってきた。圧倒的な市場シェア、高いブランド認知度を誇るこのロングセラーブランドはいかにして生まれ、どのようにして市場を拡大させてきたのか。昭和から平成、令和と人気を保ち続ける理由や、更なるユーザー拡大への可能性に迫った。

高度経済成長期の終盤、日本の転換期に誕生

 「ピップエレキバン」の誕生は、1972年(昭和47年)。高度経済成長期の終盤、まさに日本の転換期と呼べる時代に産声を上げた。医療衛生用品卸として、1908年に藤本眞次商店として創業したピップが、四つ目の自社製品として開発したブランドで、商品名の由来は、磁気を連想させる摩擦起電器の「エレキテル」と、ばんそうこうの「バン」を組み合わせたものだ。

 今では「肩に貼ってコリをほぐすイコール『エレキバン』」と多くの人がイメージし、磁気治療器の代名詞的存在になっているが、当時は、直接患部に貼り付けるといった使用方法の概念が世間一般的に無く、手探りの状況での商品化だった。開発のヒントとなったのは、社員が貼っていた「米粒」。固い米粒を凝っている部分にテープで押さえ付けて患部を刺激する姿から、現在の磁石の形状を思い付き、ばんそうこうのはがれにくさなどにもこだわって約2年の開発期間を費やした。発売当時は、珍しい形状であることなどもあって、すぐにヒットというわけにはいかず、小売店向けの勉強会やPОPによる店頭販促など地道な活動を続けてきた。しかし、理解を促し、購買へとつなげるにはそう簡単ではなかった。

 潮目が変わったのは、発売5年目の1977年。発端は、当時のピップフジモトの横矢勲会長が出演したテレビCMだ。元々は、製作費を抑えるための苦肉の策だったが、横矢会長が座ったまま商品名を連呼するというシンプルかつシュールな内容で知名度を一気に高めた。以降、藤村俊二や樹木希林といった大物芸能人が出演。売り上げも波に乗り、1979年には100億円を超える大ヒット商品へと成長した。
 
(詳細は「日用品化粧品新聞」2月28日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)

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