花王が共同で仮想人体生成モデルを開発 実用化へ検証

新規デジタルプラットフォーム事業の開始へ
花王とPreferred Networks(以下PFN)は共同で「仮想人体生成モデル」のプロトタイプを開発したことを明らかにした。今後、協業する複数の事業者と共に、モデルの実用化へ向けた検証を行うと共に、花王がPFNの協力を得て、ソフトウェアの機能を外部に向けて公開することにより、他のアプリケーションと連携できるようにする仕組みのAPI経由で提供する、新規デジタルプラットフォーム事業の開始へ準備を進める。
これに伴い2月28日、オンラインで発表会を開き、長谷部佳宏社長、東京大学人工物工学研究センターの特任教授でPFNのPFNフェローでもある丸山宏エグゼクティブ・フェロー、PFNの岡野原大輔代表取締役最高研究責任者が、モデルの仕組みやこれに取り組む意義、今後の可能性などについて説明した。合わせて、長谷部社長が、従来の解析技術資産や知見と組み合わせて展開を図る「プレシジョン・ライフケア事業構想」について方針を述べた。
多種多様な項目を網羅的に備えた統計モデル
「仮想人体生成モデル」は、健康診断などで得られる身体に関する項目から、食事、運動、睡眠などのライフスタイルや性格傾向、嗜好性、ストレス状態、月経などの日常生活で関心の高い項目まで、幅広く多種多様な1600以上の項目を網羅的に備え、これらがどのようなパターンで現れるのかを示すことができる統計モデル。ある項目のデータを入力すると、別の項目の推定データを出力することが可能で、入出力は、備えられたすべての項目から自由に設定することができる。
(詳細は「日用品化粧品新聞」3月14日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)