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フジイ〝生活創造企業〟への挑戦、豊かな暮らしを実感できる製品と情報を発信

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フジイ〝生活創造企業〟への挑戦、豊かな暮らしを実感できる製品と情報を発信

 キッチンウェア、ハウスウェアを中心とする専門商社として確立

 1923年に創業、来年で100周年を迎えるフジイ(東京都文京区)。キッチンウェア、ハウスウェアを中心とする専門商社としての位置付けを確立しているが、近年は更に提案の幅と質を向上させ、様々な分野で活躍の場を広げている。

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 戦後間もない1946年に改組し、近代企業として設立したフジイは、ホーロー製品を手掛ける事業から歩みをスタートした。医療用、衛生用の容器、鮮魚店が魚を乗せる容器、写真の現像液を入れるバッドなど、いわゆる業務用製品の取り扱いが中心だったという。汚れが付きにくく清潔な用具、容器とあって人気が拡大し、各方面から引き合いが高まった。これらの製品は、やがて一般家庭用にも販売を開始。扱う品目も増え、現在の基礎を成す事業として確立していったという歴史を持つ。
 宮川和雄社長は「製品を協力工場に作っていただき、それを販売するというメーカー機能を持ちつつ、やがて総合卸として百貨店を中心に取引することで、会社として発展してきたと言えます」と語る。
 何よりエポックメイキングとなったのは、日本の企業としてはいち早く、海外ブランドの取り扱いを開始したこと。ものづくりに定評のあるドイツなど欧州を中心に、著名なブランドが日本国内で展開するに当たり、こぞってフジイの機能を活用しつつ市場を開拓していった。これは現在も、独占契約を結び取引する関係として続いている。「一般的な代理店機能ではなく、こちらが輸入し、在庫も持ち、全て手掛けるという総代理店としての機能を発揮することで、信用を築いてきました」(宮川社長)。そうして日本で成長したブランドは「ALESSI」「Emile Henry」など、実に数多く、百貨店の売り場を飾っている。
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 昨今は、創業時から続く日本製品の取り扱いにも注力している。自社ブランドで、定番のキッチン用品をメインとする「PRESENCE」は、その代表格だ。主要なメーカー6社にOEM製造を依頼し「日本製造」と称してメイド・イン・ジャパンの品質の高さを訴求。メーカーによるナショナルブランドも取り扱い、一緒に売り場に並べるなど多彩な提案ができることも強みと言える。
 これらの主要な販路は百貨店ということになるが、売り場づくりには徹底してこだわりを見せるという。Eコマースの拡大が続く中でも「百貨店には、実際に製品を見て、試して、良さを実感して、あるいは販売員とのやり取りまで含めて、買い物そのものを楽しむことで満足度を得るお客様がたくさんいらっしゃいます。単に価格だけでなく、買う楽しさを味わってもらうためにも、陳腐化しない売り場づくりが重要です」(宮川社長)ということから、製品に限らず、それを用いたライフスタイルまで提案していきたいという狙いがある。

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 フジイは古くから「月兎印」という自社ブランドを手掛けている。シンプルかつ高品質な日本製であることを武器に「製造から販売、アフターサービスまで一貫して、またお客様の声が届く、自分たちの目が行き届く範囲で展開している」(同社)といい、特約店も含め限定的に販売している。単独での展開に加えて、「ビームス・ジャパン」「アダムロペ」「アラジンブルフレーム」といった有名ブランドと、製品や販売でのコラボレーションした展開も話題を集める。
 「月兎印は、デザインやコンセプトは変えることなく、私共が責任を持って仕事をするという意味で会社の精神的な柱でもあります。お客様にご愛顧いただいている以上は、それにしっかり応えていくという使命を体現するブランドといえます」(宮川社長)。

 「サステナブル」を重視した化粧品分野でも製品の展開を開始

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 参入するキッチンウェア、ハウスウェアの市場では、百貨店だけでなく、EC業者、家庭用品専業の小売店など、販路が多岐にわたるようになってきた。消費者の意識や購買行動も変化し、一部では低価格志向もあり、従来の販路を守っていれば事業が継続していけるという時代ではなくなった。
 そこでフジイが提案するのは、製品を使う楽しみ、買う楽しみをしっかり提案していくことだという。生活の様々な場面で使う製品の取り扱いを幅広く手掛けていく一方、製品のグレードは決して落とさないという理念に基づくもの。
 他社から譲り受けて4年目を迎えるファブリック事業では、ランチョンマットやカットクロスなど、従来のテーブルウェアと共に提案できるグリーン及びホビー関連を合わせてMD提案するなどしている。生活者のニーズやライフスタイルを考える時、キッチンからダイニングの分野に広がりを見せるのは必然として、更に扱いの幅を広げていく考えだ。
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 フジイでは「リアルキッチン」という小売店も展開している。これを含め、メーカー、卸、小売の機能を有する企業ということになるが、より多様化する生活者のニーズと豊かで充実したライフスタイルの実現へ向けた提案、サポートを目指しているように見える。直近のところでは、キッチンやリビングなどで用いる「サステナブル」を重視したクリーナー類や、ハンドソープ、ネイルクリームといった化粧品分野でも製品の展開を開始。
 宮川社長は「“生活創造型企業”として、生活者の方々が自分たちなりに豊かだと実感できる暮らしのための製品、サービス、情報など、今後もどんどん発信していきたいと考えています」といい、更に活動の場を広げていく意向を明らかにする。業界や業態の垣根を越えて、真の意味でのライフスタイル提案企業として、周囲の期待は今後も高まりそうだ。

 (詳細は「日用品化粧品新聞」10月3日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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