花王「エスト」で進化型サブスク美容プログラム導入、最良の肌へソリューション提案

美容のプロフェッショナルチームと共にスキンケア方法などを提供
花王は、化粧品ブランド「est(エスト)」で、進化型サブスクリクションビューティプログラム「エスト スキンアスリートジム」を導入する。美容のプロフェッショナルチームと共に最良な肌を目指すためのスキンケア方法などを提供する「プレシジョン・ソリューション」を提案し、ブランド価値の向上を図る。
プログラムのβ版を11月から、花王の最新ビューティケア情報を発信する拠点である「BEAUTY BASE by Kao 銀座店」で、約20人を対象に導入する計画。今後はサービスの充実と規模拡大を図りながら、2024年春の本格導入を目指す。
特別な研修を受けた専属の「エストビューティエキスパート」が、年間を通じオンライン、オフラインを問わずカウンセリングを実施するのに加え、トリートメントサービスを行う。また、管理栄養士やボディメイクトレーナーなどの監修による食事・運動方法のアドバイスも提供するなど、顧客に合わせたパーソナルなプログラムを、チーム全体でトータルにサポートしていくのが特徴だ。
サブスクリプション制で、料金は年間30万円。肌解析とこれに基づく美容プログラム設計、スキンケアレッスンとトリートメント体験、「エスト」スキンケア分野の商品44万円分などが含まれる。
会員には、皮脂RNAと角層の二つの生体試料をもとに、肌に今起きていることを把握できる「花王史上最高レベル」(同社)の肌解析サービス「スキンポテンシャルアナリシス」 を、専門スタッフが提供する。美しい肌に重要な肌のバリア機能、紫外線への感受性、糖化の状態などを水分量やセラミドの質など12の指標で解析し、各年代の平均に照らして自分の状態として結果が表示されるもの。同じ肌トラブルでも原因によりアプローチが異なる場合があるが、皮脂RNAの発現情報から状態だけでなく固有の原因を推測することが可能だという。
「プレシジョン・モニタリング」を初めて実用化
花王は、あぶら取りフィルムで顔の皮脂を採取し、そこからRNAを抽出して網羅的に解析する皮脂RNAモニタリング技術を構築、発現情報から 乳幼児アトピー性皮膚炎やパーキンソン病など疾患の早期見極めに役立つ可能性があることを見いだしてきた。また、従来は把握が難しかった肌性状や肌悩みの内部要因、体内要因の予測が遺伝子レ ベルで把握できることも報告している。更には、肌の美しさを担う角層機能を高精度に解析する研究も進め、角層を構成する全ての物質を分子レベルで取得し、角層本来の機能を予測するという「コルネオスペクトル解析」を確立した。
導入する肌解析サービスは、これらの技術を活用して、健康課題に対して原因を精確に同定する「プレシジョン・モニタリング」を初めて実用化するもの。
サービス導入に先立ち10月4日、オンラインで説明会を開き、スキンケア研究所の天野恭子主任研究員が新たな肌解析サービスの導入について、また、化粧品事業部門の清原麻紀子エストブランドマネジャーがプログラムの概要などについて説明した。
「最先端技術のプレシジョン・モニタリングと、個人に最適化したプレシジョン・スキンソリューションで、一人ひとり異なる要因に的確にアプローチし、肌トラブルの改善、美肌の実現に寄与していく」(天野氏)、「従来の、モノのサブスクリプションから、パーソナルな顧客体験型のサブスクリプションに進化。本格導入後、25年までにブランド全体の売り上げを25年までに6割増、プログラム自体の構成比も30年までに4割近くまで高めたい」(清原氏)という。
(詳細は「日用品化粧品新聞」10月10日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)