エビスが3年ぶりに「事業方針説明会」実施、若年層向け新製品などを発表

歯と口の健康づくりで健康長寿社会の実現に貢献へ
エビスは11月29日、東京都文京区の東京ドームホテルで、同社では3年ぶりとなる「事業方針説明会」を実施した。昨年の創業125周年から1年を経て、テーマを「Next Quarter Century 125+1〜次の25年に向けて〜」と設定し、代理店である卸売業各社のトップらを招いて、来春発売の新製品や事業方針などを紹介し、今後の関係強化を求めた。
会の冒頭、乾正孝社長は、前期の取り組みや業績、昨今の事業を取り巻く現状を踏まえ「成長性に歪みがあるのは、当社に真の実力がまだまだ不足しているため。高付加価値商品の継続的な創出、製造DXに向けたスマート工場化、顧客との価値共創といった課題に取り組み、エビスらしさの追求を今期の基本方針に、感動を与える製品の提供、お客様の心地良い生活の実現、信頼性の高い企業を目指していく」と述べ、今後の方向性を示した。その上で、社会課題の解決にも取り組み、循環型社会の実現、歯と口の健康づくりで健康長寿社会の実現に貢献していくとした。
植物由来の原料を使用したハブラシ「プレミアムケアeco」発売
鈴木浩二営業本部長は営業方針を説明、今年6〜10月の売上高前年比がオーラルケア部門6・1%増、ハウスウエア部門9・5%減だったことを報告した。また、最近の市場動向を紹介しつつ「幅広ヘッドハブラシのユーザーは50〜70代が中心で、40代以下は少ないのが現状。国民皆歯科検診の導入が検討される中で、今後は若年層の使用拡大を目指して、高付加価値な商品の導入、マーケティング施策の拡充を図る」と強調した。保存容器分野では、使用場面の拡大を図るのに加え、使用することでCO2排出量削減につながることを訴求するなど、各種製品のパッケージ変更も含めてテコ入れしていく考えを示した。
続いてマーケティング部の丹下英司シニアマネージャーが新製品並びに販促施策を紹介した。時短磨きでも磨き残しゼロにできることをコンセプトとする「ゼロプレミアムケア」を投入。更に、濃密ミクロ処方で、気分に合わせて選べる3種の香味をそろえた薬用ハミガキ「ゼロプレミアムケアズ」を発売する。ハブラシとハミガキの展開で課題として挙げる若年層の拡大を目指す。「ターゲット世代に向け、新規ユーザーを獲得していく」(丹下シニアマネージャー)という。
また、製品の一部に植物由来の原料を使用したハブラシ「プレミアムケアeco(エコ)」も発売する。高付加価値化の追求と共に環境に配慮した商品として位置付ける。
販促面では、3〜4月にBS放送でのテレビCMを投入するのに加え、女性ファッション誌と著名人を起用したタイアップ企画の実施、ブランドサイトの刷新などで、商品への理解を促進する。ターゲット層に合わせたサンプリングを行う他、2〜4月にはクローズドキャンペーンを実施する。
会の最後には、出席した代理店を代表して、あらたの表利行副社長執行役員営業本部長があいさつに立ち、これらの方針を受けて店頭化推進に協力していくと述べた。
(詳細は「日用品化粧品新聞」12月5日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)