【第60回JAPAN DIY HOMECENTER SHOW】竹田実行委員長インタビュー
”防災=ホームセンター”構築へ日本DIY・ホームセンター協会が8月29~31日、幕張メッセで主催したイベント「第60回JAPAN DIY HOMECENTER SHOW2024」。台風の接近に伴い交通事情に一部影響があったにもかかわらず、今年も前年以上の来場者数を記録するなど大きなにぎわいを見せた。ショウの実行委員長を務めた竹田光貴副会長(アクリサンデー)に、各企画への反響やコンテンツを立ち上げた背景、今後の可能性、展望などを聞いた。
――昨年よりも更に開催規模を拡大しましたが、改めて概要について教えてください。
「今年は、第60回目の大きな節目を迎えるに当たり、会場を昨年の4ホールから5ホールに増やして開催しました。出展規模は前年の518社、1121小間を上回る598社、1266小間で、テーマは、DIYの新たな価値を発信してホームセンターが果たす社会的役割への関心を高めるべく『~いつでも頼れるホームセンター~DIYの新たな未来』としました」
――今年は、台風が接近するタイミングでの開催となりました。影響はいかがだったでしょう。
「今年の来場者は6万225人で、前年よりも3817人増加しましたが、やはり悪天候による影響は大きく、目標の7万人には残念ながら達しませんでした。日ごとの内訳を見てみると初日のバイヤーズ・デーは2万4528人(前年比で2976人増)で、一般・PRデーを始めた2日目は1万6295人(前年比で5950人減)、最終日は1万9402人(前年比で6791人増)と、台風の影響が大きかった2日目以外は前年よりも多い来場者を記録しました」
――コロナ禍に伴い、ここ数年は最終日である土曜日の一般来場者が少ない傾向にあったと聞きました。事前にどのようなプロモーションを図ったのか、教えてください。
「一般来場者向けには、ウェブサイトやSNSでの広告の強化、公共交通機関のトレインチャンネル、開催地の駅周辺施設でのポスターの掲示、全国のホームセンターへの無料招待券の配布などを行いました。また、親子の来場者を対象にショウオリジナルのTシャツを配布するなどの施策も実施しました。業界向けには、関係者が閲覧する大手ウェブサイトへの広告掲載を始めとする強化策に注力した取り組みが奏功したと考えます」
――前年以上に内容をパワーアップさせたテーマゾーンも印象的でした。改めて、具体的な内容を聞かせてください。
「恒例企画の『いつでも頼れるホームセンター』では、出展社とバイヤーをつなぐ業界関係者向けの商談コーナー『ホームセンタービジネスマッチング』において、参加小売業を昨年の17社から22社とし、商談窓口を拡大しました。更に、9月1日の『防災の日』を目前に控えた開催時期ということを踏まえ、起震車やVR体験など、防災や防犯に特化したコーナーを設けました。中でも、起震車のコーナーには3日間を通して約500人もの来場者が集まり、終始にぎわいを見せていましたね」
――ホームセンター各社が選ぶ「オススメ防災用品」のコーナーも、一般の来場者だけでなくテレビのキー局が取材に訪れるなど、注目が集まりました。その要因は何でしょう。
「『何か起きた時には必要なモノをホームセンターに買いに行こう』というメッセージを地道に発信してきたことや、ホームセンターにおいても防災の日が近づくと店頭の目立つ場所に必ず防災関連の商材を大々的に打ち出しますので、それらが相まったことからではないでしょうか。最近では、8月に宮崎県で発生した地震によって、南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震への注意を呼び掛ける臨時情報が気象庁から発表されるなど、消費者の防災に対する関心はより一層高まりを見せています。報道機関にショウを取り上げてもらうことで、翌日以降のショウ来場者の増加だけでなく“防災=ホームセンター”というイメージを更に消費者へ喚起できると思いますので、今後も防災関連のコーナーの充実化を図ります」
――1月に発生した能登半島地震や、4月の台湾東部沖における地震など、災害が増えている現状から企画した「お得に買えるチャリティー&モニター販売コーナー~ショウへ来た方だけの特別価格の即売コーナー」も好評でした。概要について聞かせてください。
「能登半島地震の発生直後から、ショウにて支援イベントの実施を考えていました。また、当ショウに多くの企業が出展している台湾においても大きな地震があったことから、国内外を問わず支援出来るイベントにしたいと考え、出展社からご協力いただいた商品のチャリティー即売会における売上金の全額について福祉事業団体を通し被災地へ寄付する構成としました。当初より掲げていた目標に近い売り上げを達成できたので、大変うれしく思います。本来であれば、何も起こらないことがベストなのですが、業界全体として被災地に向けた物資支援を行うだけでなく、引き続きショウでも『何か起きた時にはホームセンターに頼ってほしい』という思いを形にしていきます」
(詳細は「日用品化粧品新聞」10月7日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)