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クラシエホームプロダクツ行武久幸社長インタビュー

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クラシエホームプロダクツ行武久幸社長インタビュー

 お客様目線で「わくわく」を提案

  コーポレートビジョンに「CRAZY KRACIE」を掲げ、次の100年へ進むためにありたい姿を示すクラシエホームプロダクツ。固定観念を捨て、挑戦し続けることで市場に新しい価値を提案し続けている。2020年3月に行武久幸氏が社長に就任。「クラシエと聞いただけでわくわくするような会社にしていきたい」と未来を見据える行武社長に、これから進める方向性について聞いた。

 ——新型コロナウイルス感染症が国内で猛威を振るい始めた昨年3月の就任ということで、大変なことも多かったことと思います。まずは当時の率直なご感想をお聞かせください。
 「2019年10月に副社長に就任する前の数年間、理美容業界を担当するプロフェッショナル事業部の責任者をしていました。その期間は、インバウンド需要による肌美精シートマスクの好調な売上などを背景に、オリンピック終了後の市場環境も見据えて新ブランドを立ち上げるなど、拡大路線の中期計画を推進していました。しかし、私が副社長として一般流通に戻って来た時は、インバウンド需要の減速により市場環境は一変しており、社として収益改善に向け、体力をつけるために方向転換に着手した時期でした。そのような中で、翌年3月に社長に就任しました」
 ——予期せぬ事態が起こり、対応に追われた企業も多くありました。
 「私自身は、コロナ禍は却って社内の体質改善の追い風になったと感じています。当時、宣伝や販促施策を見直す動きは、当社だけではなかったため、想定よりも順調に取り組めました。中期計画は20年まででしたが、減収減益から増益基調へと転換することができました」
 ——困難な状況もポジティブに捉えていたのですね。今年度からの新中期計画はどのような方針を打ち出しますか。
 「社内では常々伝えていることですが『わくわくする商品の開発』を大切にしています。数年前のことですが、新商品をご提案した際、商品の使用感を絶賛してくれたバイヤーに『でも、私は売りたくない』と言われたことがありました。『商品はすごく良いけどわくわくしない』とも。衝撃的でした。品質には自信がありましたが、それだけでは通用しないと気づきました。『常にお客様目線』で『わくわくする商品を開発して、わくわくする使い方を提案する』。この方針で増収増益への転換を目指します」

 ビジョン「CRAZY KRACIE」追求


 ——顧客への伝え方にも工夫が必要になりそうです。
 「コロナ禍を経て、夏場の入浴機会が増加したり、外出自粛のためにスタイリング剤の需要が低下したりと人々の生活様式にも変化がありましたが、一番変わったのはお客様の情報の取り方だと思います。当社では、シートマスクの『肌美精CHOI』やシャンプーの『ディアボーテHIMAWARI』の売上が好調なのですが、それぞれSNSが中心となり口コミで需要が広がりました。『ディアボーテ』は美容師のYouTubeチャンネルで、市販品の中でおススメシャンプーとして、成分の解説も含めて紹介されました。第三者による紹介が更に口コミで広がったもので、このような動きはコロナ禍を機に加速したと感じています」
 ——TikTokで話題になった「CHOI」は若年層を中心に人気が出ました。
 「ヒットの先読みをすることは難しいですが、デザインや価格だけで勝負するのではなく、新しい発想の商品をつくっていくこと、新しい使い方をお客様にしっかり伝えることに注力していきたいと思っています。親子で使える『マー&ミー ラッテ』も、『ママと娘』の世界観を全面に出していて、発売当初は社内でも賛否がありましたが、商品のコンセプトや世界観をブレずに伝えてきたことで、市場に受け入れられた好事例です」
 ——自社の強みや今後の方向性を聞かせてください。
 「グループ全体として『人を想いつづける』という基本理念や『CRAZY KRACIE』というビジョンがしっかりしているという点は強みだと思います。グループ間で素材や技術を共有していく動きもありますので、漢方をつかった化粧品やお菓子の技術をつかったシャンプーなども今後誕生するかもしれません。クラシエと聞いただけでわくわくするような会社に、クレイジーさや遊び心のある会社にしていきたいですね。以前、ナイーブのボディソープで初めて詰め替えパウチに挑戦したように、今後はサスティナビリティ推進に向けたイノベーションにもクラシエグループ全体として取り組んでいきたいと思います」
(詳細は「日用品化粧品新聞」11月15日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)

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