【注目ブランド戦略・アース製薬】テレビやウェブなどの仕掛けでブランド認知向上

市場全体の拡大のために新規ユーザーの獲得を
虫ケア用品市場の売り上げナンバーワンメーカーとして強い存在感を放つアース製薬。テレビやウェブで様々な仕掛けを取り入れるなど、アピールの幅を広げている。高まるデジタル化の波に、どういった対応を見せているのか。マーケティング総合企画本部コンシューマーマーケティング部の小野里賢治部長に話を聞いた。
――今春の新製品では液体式の蚊用、ダニ用の「マモルーム」が話題を集めています。
「駆除中心ではなく、予防コンセプトで展開している点が評価され、配荷も順調に進んでいます。トップシェアの当社として考えなければならないのは、市場全体の拡大です。そのための施策の一つが新規ユーザーを獲得すること。若年層の間では『アースノーマット』は知っていても、使ったことがないという人は数多く存在します。『マモルーム』は、そういった層をユーザーとして獲得するため、現段階の消費者ニーズやライフスタイルに合うこれまでに無かったデザインや機能、価値を取り入れています。CMについては、ウェブでの展開を中心に進めます」
――新製品の「イヤな虫 ゼロデナイト」も引き合いが強いようです。
「この商品は、1年に1回※の使用で嫌な虫を寄せ付けない、という驚きや登場感を伝えるため、テレビやウェブなどでアピールしていきます。新規性の高いものなので、安全性や効果を説明するには、様々な媒体を活用するのが有効的だと考えています。なお、ウェブCMでは当社社長の川端も出演する予定です」
デジタル販促が売上増に貢献
――それぞれのターゲットに合った打ち出しが必要になってきそうですね。デジタル販促での成功事例はありますか。
「デジタルを使った成功事例では、住居用洗剤になりますが2019年8月に発売した『らくハピ マッハ泡バブルーン 洗面台の排水管』がその代表です。使い方の動画をアップしたところ、洗面台のオーバーフローから勢い良くあふれだす泡の様子がバズり、これが売上増に大きくつながりました。おうち時間の増加で掃除に関心を持つ人が増えた影響もあると思いますが、視聴回数が1億3000万回を超えるなど、日用品の分野では考えられないような数字を残しています」
――それはすごい再生回数ですね。虫ケア用品ではいかがでしょう。
「昨年発売した『アースレッド おすだけ無煙プッシュ』は、3歳の歌姫の村方乃々佳ちゃんを起用したウェブCMを打ったところ、ターゲットでもある若年層にうまく響き、くん煙剤からのスイッチではなく、一度もくん煙剤を使ったことがない人、関心が無かった人など新たな顧客を取り込むことができました」
(詳細は「日用品化粧品新聞」5月2日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)