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【大人用紙おむつ&吸水ケア用品市場】ライトユーザーや若年層への啓発も

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【大人用紙おむつ&吸水ケア用品市場】ライトユーザーや若年層への啓発も

「超うすパンツ」カテゴリーは2018年度から21年度で15%以上に
 
 本格的な高齢化社会が進む中で、関連市場の成長が続いている。アクティブシニア、あるいは被介護者も含めた高齢者人口が増加しており、この層に向けた商品やサービスが活発に投入されるなど、活性化の動きが続く。健康寿命の延伸という大きなテーマに基づき、大人用紙おむつを始め吸水ケア用品などの現状を追った。

 進む高齢化伸びる商品群
 調査会社のデータによると大人用紙おむつのうち「超うすパンツ」カテゴリーは、2018年度の57億円から21年度には66億円と15%以上の拡大を見せ、更にそれ以降も成長を続けている。加えて、軽失禁対策品として下着につけるタイプの「吸水ケア用品」カテゴリーは18年度の440億円から580億円にまで拡大しており、ユーザーの関心と認知が高まっていることをうかがわせる。中度症状に対応する商品群の伸び率は、22年2月時点でパンツタイプが12%増、パッドなどインナーは28%増と好調だ。
 また、市場拡大に大きく寄与すると考えられる年齢別の人口推移は、総務省の統計では65歳以上の割合が間もなく3割を超え、40年には総人口の35%に達する。平均年齢が高まっているとはいえ、80歳以上も15%に近づくとの試算が出ている。
 関連市場に参入する各社では、こうした人口構成の変化はもちろんのこと、40代、50代の比較的若い層への早期の使用促進にも力を入れている。

 ライフステージ、ライフスタイルに合わせた提案も

 新たな提案続ける各社
 ユニ・チャームは今春、現役世代と言える40代以降の男性に向けた「ライフリーさわやか男性用快適シート」を発売し、この分野の更なる成長と活性化を目指していく。日常の中で活発に動くことがありながら、様々な要因で尿漏れを経験し始める同世代の男性のための専用品と位置づけ展開を図る。
 ターゲット層はこうした専用品の認知が低いとされ、まずは関連売り場に、黒を主体としたパッケージデザインを生かした“黒い壁”をつくり、潜在需要の掘り起こしを進める考えだ。
 男性に先んじて広がりを示す女性向けでは、日本製紙クレシアが日本で初めての吸水ケアナプキンとして発売した「ポイズ」ブランドの新アイテム「肌ケアパッド超スリム&コンパクト」を投入し注目を集める。
 こちらも50~60代をターゲットとしており、新規に使い始めようというユーザーの吸水ケア用品に対する不安を払拭しつつ、間口を広げていく戦略で拡大を図る。
 大王製紙は、下着にそのまま使える「アテントふだんの下着に使えるパッド」を発売。サイズの小さいパッドの吸収量に不安があったり、紙おむつの使用に心理的な抵抗感があったりするユーザーへ向けて、日常生活の中に新たな提案を盛り込んだ。
 男女を問わず増加するアクティブシニアに向けた花王の「リリーフまるで下着」は、動きやすさやすっきり感、履き心地などの特徴をより進化させ、商品力をアップした。商品に満足してもらえなければ代金を全額返金するというキャンペーンで、商品への自信を示している。
 上記以外にも、様々な工夫を凝らし、新たな切り口で展開するメーカーが多く、また流通段階でも積極的な取り扱いが進んでいる。ユーザーそれぞれのライフステージ、ライフスタイルに合わせたソリューション提案が今後も広がりそうだ。

 (詳細は「日用品化粧品新聞」4月17日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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