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【ヘアケア市場】再活性化へ期待背負う独自商品などトレンドと機能性を追う

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【ヘアケア市場】再活性化へ期待背負う独自商品などトレンドと機能性を追う

 新興メーカーのプレミアムブランドが店頭占拠率を拡大
 
 シャンプー・トリートメントなどのヘアケア市場は伸び悩みが続くが、新たな価値提案により再浮上する動きも目立ち始めた。生活者ニーズ、トレンドの変化はもとより、相次ぐ値上げの影響で生活防衛に走る傾向も強まり、市場の先行きは不透明な状況だ。

 ◆統計と中心価格帯
 経済産業省が公表する1~7月度の出荷統計を見ると、前年同期比でシャンプーは個数が5%、金額が6%ほど減少、ヘアリンスは個数が15%、金額も5%減少した。ヘアトリートメントも、個数が12%、金額が5%ほど落としている。前年の実績も減少傾向で、全体に下げ止まっていない現状がある。
 注目されるのは個数と金額の減少率の差だ。シャンプーこそバランスを保って下がっているものの、ヘアリンス、トリートメントでは大きな開きがある。
 ヘアケア製品を手掛けるメーカーの担当者は「シャンプー・コンディショナー市場全体では、1000~1500円前後の価格帯がよく動いている。その分、個数面でボリュームの大きかった汎用価格帯、低価格帯が減少している」として、中心となる価格帯の移行によるものと示唆する。更に上にある高価格帯の商品はやや苦戦しているという点も、市場の構造に変化をもたらしていると考える。

  人気の機能性はうねり、ゆがみなどに対応する髪質ケア

 ◆最近のトレンド
 ヘアケア意識の高まりや、その時々のトレンドも絡んでヒット商品及び人気ブランドが生まれる傾向が続いている。典型的なのは、それまで主要な大手メーカーが上位を占める市場へ「ボタニスト」で切り込んだI―ne。登場以降は、市場の平均価格引き上げにもつながった。最近では「YOLU」を投入し、ビューティー業界全体の「ナイトケア」需要の広がりに寄与している。その他にも、これまで市場で主要ブランドを展開してきたメーカー以外の新興メーカーによるプレミアムゾーンのブランドが店頭占拠率を年々高めており、その勢いは近年更に増している。なお「YOLU」は2021年の発売以降、累計販売数1000万個を突破、ドラッグストアでの販売金額シェアで1位になるなど「夜間美容」というコンセプトありきの展開が、生活者にはっきり受け入れられることを証明した。
 もう一つは、参入メーカーの既存ブランドではなく、卸・小売業のPB商品の増加。特に主要なドラッグストアではユーザーのニーズに対応した、あるいはトレンドを発信するような、高機能で高価格、付加価値の高い商品を独自に開発している。これまで、SNSを活用した販促策などで伸びてきたが、最近では各社が独自色をより強めることで、顧客の囲い込みを進めている。

 あるドラッグストアでは「コスメコンセプトの高価格なブランド群がいつまでも支持され続けるとは限らない。メーカーと組んだオリジナル品の共同開発や、小売業自ら情報を発信し話題を喚起するなど、生活者の需要を創造することが重要」と先を見据えている。
 ◆人気の機能は「うねりケア」
 もともと根強いダメージケア分野で最近増えているのは、髪のうねり、ゆがみなどに対応する髪質ケアアイテム。あるメーカーの試算では販売金額300億円と、最近5年間で約3倍に成長した。
 加えて「ウォータートリートメント」は、大きく成長したヘアトリートメント市場の中でも目立つ存在。まだアイテムが少ないものの、プラスワンアイテムとしても取り入れやすい。更に、前述した夜間美容の他にもクリーンビューティー、成分訴求など次々とトレンドが生まれており、競争は激化しながらも市場は再活性化していきそうだ。

 (詳細は「日用品化粧品新聞」10月2日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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