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【注目ブランド戦略・大王製紙】「エリエール」ブランド強みに市場活性化

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【注目ブランド戦略・大王製紙】「エリエール」ブランド強みに市場活性化

 「消臭」機能と「防臭」機能で、生活者ニーズをより満たす

 ――この春の新たな商品施策はどういったものがありますか。
 「『エリエール消臭+(プラス)トイレットティシュー』を全面リニューアルしました。2013年の発売以降、トイレットロールと消臭機能が一つになった商品として、新市場を構築してきましたが、コロナ禍の在宅時間の増加でトイレに行く頻度が増え“トイレのにおいが気になる”という声の高まりを受け『防臭』の機能を加えたものです。技術的には、消臭と同じく芯の部分に防臭のコート成分を配合しています。においの発生は、床や壁の尿のはねが原因の一つですので、これまでの『消臭』機能と『防臭』機能で、生活者ニーズをより満たしていく考えです」
 ――消臭だけでも大きな特長ですが、更に付加価値化を進めたわけですね。
 「コロナ禍で消費者需要は多様化し、消臭だけでは差別化が難しくなってきました。『防臭』は、生活者の購買意欲を高める最近のキーワードですので、潜在ニーズの顕在化が図れると期待しています」

 「i:naトイレットティシュー」は3・2倍巻きを発売

 ――長巻きタイプでも新たな動きが見られます。
 「『エリエールi:na(イーナ)トイレットティシュー』の3・2倍巻きを発売しました。白物とプリント物の2品です。在宅時間の増加でトイレに行く頻度が増えた影響で、においが気になるのと同じく『使用量が増えた』という実態があります。長巻きの構成比は市場で3割を超えるまでに拡大しています。長巻きは、様々なメリットがありますが、コロナの影響で『買い物頻度を少なく済ませたい』という需要増に拍車が掛かったのではないでしょうか。当社では1・5倍巻き、2倍巻きをそろえていますが、今回の新製品は、1ロール25メートルの3・2倍なので80メートルとなります。4ロール入りなので計320メートル、つまり12ロールの計300メートル以上の長さになります」
 ――3倍ではなく、3・2倍にした理由は。
 「当社の調べでは、3~4人家族のトイレットロールの1カ月の平均購入量は約301メートルで、それがコロナ禍や長巻き化の波で少し増え、今は315メートルほどです。4ロール320メートルあれば、一家族でもある程度安心して使える量になってきます。また、長巻き市場でプリント物は珍しいことから、デザイン性のニーズも開拓できればと考えています」
 ――春の新製品以外の全体的な動きについてはいかがですか。
 「市場全体では、トイレットロールは長巻き、ティシューはソフトパックの伸びが目立ちます。キッチンペーパーやタオルペーパーはシートタイプの動きが順調です。当社では、昨年秋にシートタイプのキッチンペーパーとペーパータオルで新製品を発売し、テレビCMも放映しました。当社としてはやや弱いカテゴリーでしたので、生産設備を増強して拡充を図っています。シートタイプの商品は、衛生意識の高まりでタオルやふきんからのスイッチが進んでいますので、今後の動きにも期待しています」
 ――その他、昨年からはディズニーとのデザイン品も手掛けています。販売状況は。
 「『エリエール』のファンに加え、ディズニーファンの獲得を狙ってコラボを開始しました。コラボしたことで、これまでの『エリエール』製品では展開しきれていなかった業態、業種、売り場での展開が広がったことは大きな成果です。この春は『トイ・ストーリー』のデザインティシューを発売しましたが、映画の公開と合わせて話題を集めています」
 ――御社は、トイレットロールとキッチンペーパーに加え、最近ではティシューもトップシェアを獲得しました。その要因は何と捉えていますか。
 「各カテゴリーの主要なセグメントにそれぞれ強いブランド形成ができていることではないでしょうか。トイレットロールであれば、ファーストブランドの『エリエール』、セカンドブランドでは長巻きの『i:na』、ティシューも同じくファーストブランドの『エリエールティシュー』に、保湿系商品の『贅沢保湿』『プラスウォーター』を展開しており、それぞれのセグメントで高いシェアとなっています。これは、当社の商品が生活者や時代のニーズに対応しており、それを小売業様や生活者に認めていただき、また、次に求められる商品を出していくというサイクルが出来ている証だと捉えています」
 ――ブランドの新しいコミュニケーションとして「ね、これもエリエール」を打ち出していますが、ブランド全体の訴求力、展開力は強みとなりますね。
 「確かに『エリエール』ブランドだから生きてくる展開は強みかもしれません。当社は、ティシューやトイレットロールだけでなく、生理用品や紙おむつ、マスク、掃除用品など、全て『エリエール』ブランドとして展開しています。ブランドトータルの商談やカテゴリーを横断した販促提案ができる点を強みに、今後も市場全体、店頭全体の活性化を進めていきたいと思っています」
 ――その他、商品ブランドの「エリエール」の強みはありますか。
 「昨年も2台のマシンを稼働させましたが、供給量は一つの武器と考えます。供給量がしっかりあるからこそ、新商品や企画品も定期的に上市でき、生活者ニーズに合わせた商品展開が可能になると考えています」

(詳細は「日用品化粧品新聞」7月4日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で
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