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【注目ブランド戦略・日本製紙クレシア】スローガン「衛生を、ずっと」を形に

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【注目ブランド戦略・日本製紙クレシア】スローガン「衛生を、ずっと」を形に

「クリネックスティシュー5箱パック」を独自技術で品質改良

 ――このほど、コーポレートスローガン「衛生を、ずっと」を設定するなど新たな展開を見せています。スローガンに込めた思いなどは。
 「これまで当社は半世紀以上も前から『衛生』にこだわったものづくりをし、それをお客様に届けてきました。『清潔』にすることは、あまり意識されることはありませんでしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により『清潔を維持・管理して、生を衛(まも)る』という『衛生』が改めて見直されています。当社の生産している紙製品はもちろん、吸水ケア用品や紙おむつなど全てが『衛生』につながっています。これまでも、これからも衛生を届けていくといった思いを形にしたのが今回のコーポレートスローガンです。企業ロゴもその思いを取り込んだデザインとしています。また、コーポレートムービーも作成しました。ショートバージョンとロングバージョンがあり、どちらも我々が想定していた以上の再生回数を記録しています。これからも、我々の思いを、より多くの方に知ってもらえるようにと思っています」
 ――商品面でも、主力ブランドのリニューアルがありました。
 「この春はフラッグシップの『クリネックスティシュー5箱パック』をリニューアルしました。独自技術で品質改良をし、柔らかさと破れにくさをアップし、相反する“柔らかいのに破れにくい”を実現しました。また、新たにFSC認証紙を採用しました。パッケージも、新しい企業ロゴを入れた他、伝統の『流水文』のデザインをふんわりしなやかなイメージに仕上げています。トイレットロールの『クリネックス長持ち8ロール』もFSC認証紙の採用とクリネックスティシュー5箱パックに合わせたデザインを展開しました」 
 ――新たなプロモーションでは、ブランドの世界観を訴える姿勢が見られます。
 「この春は『クリネックス』のリニューアルに伴い、テレビCMをオンエアしました。世界でも日本でも最初に発売されたティシューの『クリネックス』は、これまで、老若男女の人々の暮らしに寄り添ってきたという自負があります。今回のウェーブ篇は、5箱パックの各ラインのカラーに合わせて演出したものです。1992年にCMで使用した楽曲をアレンジし、長い期間、幅広い年齢層に愛されてきたことをアピールした内容としています」
 ――「クリネックス」以外の動向については。
 「当社の主力商品の一つ『スコッティ カシミヤ』もリニューアルしました。もともと白を基調としたシンプルなパッケージが特長でしたが、改めて原点に立ち返ったデザインにし、新たに『YOSEGI』のデザインもラインアップに追加しています。また『スコッティペーパーふきんサッとサッと』をリブランドしました。コロナ禍で市場が伸びていることもありますが、ぬれても丈夫なシートでサッと使え、1シートずつ取り出せるペーパーふきんなので、調理から片づけまで便利に使えると、商品自体も右肩上がりに動いていることから、改めてキッチン主力の『スコッティファイン』ブランドに変更しました」

 市場を構築したペーパーふきんの訴求を強化

 ――ペーパーふきんの市場は御社が構築したということでしょうか。売り上げ好調な要因は何でしょう。
 「キッチンペーパーの市場は以前からありましたが“ペーパーふきん”は当社が先駆けて発売したものです。1シートずつ取り出せる衛生面にも優れたポップアップタイプは特徴的だったためか、定番として徐々に受け入れられていったように思います。パッケージには調理から片付け、清掃までサッと活躍できる点をイラストで記載していますが、それを見て買う方がことのほか多くいるようです。『スコッティファイン洗って使えるペーパータオル』は、店頭での推奨販売を通して人気商品となりましたが、これらの事例は、使用シーンや利便性を理解してもらうことがヒットにつながることを裏付けているように思います」
 ――環境への負荷低減を追求した商品も見られます。
 「紙包装の『スコッティナチュラル3倍長持ち4ロール(ダブル)』は、一部の小売業様とネット限定のテスト販売でしたが、2月から全国展開しています。脱プラを図ることで、CO2排出量が通常の商品より45%削減することができます。そういった観点で小売業からの引き合いも強いのですが、パッケージの独特のデザインや風合いを支持して購入する消費者も多いように感じます」
 ――昨春に従来のトイレットロール12ロールの生産をやめ、全て長尺ロールの生産にシフトしたのは、SDGsの面からも話題を集めました。その後の状況は。
 「当社で『長持ちロール』と称する長尺市場は、市場全体の3割ほどに拡大しています。SNSを見ていても、1・5倍巻き~3倍巻きの『長持ちロール』のベネフィットが受け入れられていると感じますし、率先して長持ち化にシフトしたのは成功だったと思っています。この春は同様に、大容量化や取替頻度・買い物頻度の抑制、脱プラの推進を目指し、ウェットティシューも従来の本体100枚を120枚に、詰替80枚を120枚に増量しました」
 ――最後にマーケティング担当から見た御社の強みを聞かせてください。
 「『クリネックス』『スコッティ』の2ブランドを有している点に目が行きがちですが、現場レベルの営業力というか人間力は強みになっていると思います。それはブランドに対する愛着や誇りからだと思いますが、今後も当社のそういった姿勢と、世界的ブランドが持つ技術力やマーケティング力を合わせて市場での価値を高めていければと考えています」

(詳細は「日用品化粧品新聞」7月4日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で
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