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【ハウスホールド特集】衣料用洗剤の現在地

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【ハウスホールド特集】衣料用洗剤の現在地
激戦の中 伸びる市場

 日用品と化粧品における小売ベースの市場規模はトータルでおよそ3兆円と推計されているが、このうち最大のボリュームを占めるのが衣料用洗剤だ。2024年の金額規模は2700億円を超え、新たな提案も受け入れ性が高く、近年は着実に実績を伸ばしている。店頭でしのぎを削る大手各社は、引き続き独自の商品をアピールしながら、それぞれのポジションをより強固なものにしようとうかがう。主要メーカーの最近の動向を追った。

 24年の市場規模は、大手メーカーなどの調べによると約2728億円で前年比11%増となった。そのうち約半分の1380億円を汎用液体が占め、濃縮液体528億円、ワンショットタイプ537億円で、かつての主流だった粉末は231億円と全体の10分の1以下に減った。
 各カテゴリーの伸長率を見ると、汎用液体は全体並みの11%増なのに加え、濃縮液体は12%増、ワンショットタイプは16%増と高い伸びを示した。特に単価の高いワンショット、濃縮液体の伸びは、これに値上げ効果が加わり全体的な金額増に大きく寄与している。
 周知の通り「ワンショット」の台頭は今に始まったものではなく、P&Gが展開してきた「アリエール」「ボールド」のジェルボールが剤型別で一定以上のシェアを獲得していたところに、花王が「アタックパーフェクトスティック」で参入。新たな提案を盛り込んで拡販を図り、更にP&Gも対抗策に打って出たことで、競争は激化しながらもこの分野の認知拡大につながったことは間違いない。汎用液体、濃縮液体洗剤でも競合する両社の争いは今後も続くと見られ、更に次の一手も注目される。
 国内ではワンショットタイプの洗剤を発売していないライオンだが、今後の国内で伸びるカテゴリーは濃縮液体と判断し、このカテゴリーを中心に事業展開を図っている。一つ背景にあるのは自動投入洗濯機の普及。これが更に進むことで、濃縮液体のニーズがより高まるという考え方だ。その中心的存在として登場したのが「NANOX one」シリーズ。「スタンダード」「ニオイ専用」「PRO」に加えて今年3月には、得意とする「部屋干し」を限定販売だがラインアップに加え、この分野に興味関心を持つ生活者はもとより、新規ユーザーの獲得にも意欲を見せている。
 また花王は、昨年発売した「アタック抗菌EXラク干しプラス」でシニア層の人気を集め、「ニュービーズ」もリニューアルを加えた。P&Gは、濃縮液体の「アリエール超抗菌プレミアム」シリーズと、ワンショットタイプの「アリエールジェルボールプロ」「ボールドジェルボー4D」と立て続けにリニューアルを実施し、強力な販促プロモーションも展開中だ。
 これらシェア上位の商品群で寡占化が進む中でも、高い洗浄力に特化した商品、環境への優しさを持った、あるいは他の機能と兼ね備えた商品、その他の独自性を持つ商品も、地域や業態によって健闘を見せている。

(詳細は「日用品化粧品新聞」6月9日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)
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