【浄水器特集】確かな機能備え安全安心届ける

多彩な商品展開など多角的戦略推
安全で手軽においしい水が得られ、環境負荷の低減に貢献するなど、多くの利点を兼ね備える浄水器。メーカー各社が消費者一人ひとりのニーズに即した商品提案や模倣品対策、また未利用者への普及に向けた啓発活動を行うなど、多角的な戦略が繰り広げられている。
浄水器協会の統計によると、2024年度の浄水器本体の出荷台数は445万5000台で前年同期比4・8%増、カートリッジの出荷台数は3395万4000台の同1・5%増だった。
メーカー関係者によると、カテゴリー別では蛇口直結型の需要が安定している一方、設置場所を選ばない汎用性の高さからポット型浄水器の人気も目立つという。
各社別の動きを見ていくと、三菱ケミカル・クリンスイはコンパクトでデザイン性の高い蛇口直結型浄水器「CBシリーズ」が人気を集め、販促面では昨年に引き続き俳優の水川あさみを起用しCM、ブランドサイトなどで積極的な情報発信に取り組んでいる。
「トレビーノ」の発売40周年を迎えた東レは、6カ月間使用可能な長寿命カードリッジをもう1個追加した「PT307SLV プラス1セット」を限定発売。周年記念の特設サイトを立ち上げるなど、大きな節目を迎えるブランドの魅力も大いにアピールしている。
更にBRITA Japanは、自社初の家電製品となる据置型ウォーターディスペンサー「ブリタ キューブ クール」をクラウドファンディングサイトで展開するなど、既存の枠組みを超え市場の更なる深耕を図っている。
また協会調べでは、浄水器の設置状況について7都市全体(札幌市、仙台市、東京23区、名古屋市、横浜市、大阪市、福岡市)で46・9%に達していることが判明。最多が横浜市(52・1%)、次いで東京23区(49・5%)と、人口の多い都市部を中心に利用率が高い傾向にあるようだ。
背景には、水道水源から暫定目標値を超えるPFAS(有機フッ素化合物)が検出されたとの報道を受け、健康被害への懸念が高まっていることがあり「消費者から浄水器の性能や商品に関する直接の問い合わせが増えつつある。対応する際には浄水器、浄水シャワーなどに対し当協会が定める規格基準に適合した適合マーク付きの商品を選ぶよう、推奨している」(同協会)という。
なお、環境省は昨年、PFASの暫定目標値としている1リットル当たり50ナノグラムを水道法上の「水質基準」に引き上げたのに続き、今年4月には水道水値基準改正を実施。PFAS及びその一種であるPFOAを正式な水質基準に追加するのに加え、これらの遵守を水道事業者にも義務づけている。
これらを踏まえ、同協会はこれまで10の委員会、研究会を組織していた体制を五つの主幹委員会にし、その傘下に専門プロジェクトチームを配置するなどの「新員会制度の構築」や、家庭用浄水器の試験方法に関する規格「JIS S 3201」においてPFOS及びPFOAの試験方法の追加など、2027年春頃までの改訂を目指す「JIS化の推進」、更にマイクロプラスチックや富栄養化した湖沼や河川で異常発生しやすいアオコ(藍藻類)が生成する強力な肝臓毒が懸念される毒性物質「ミクロシスチン」に関して、より詳細な試験方法の検討などを行う「新除去対象物質の研究」などに取り組む構え。会員各社が製造する浄水器がPFOS及びPFOAに対応可能な商品であることを示す一覧表を作成し発信するなど、業界全体の更なる品質とサービスの向上も目指していく。
(詳細は「日用品化粧品新聞」4月6日号/または日本経済新聞社「日経テレコン」で)





