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特集/オーラルケア——SNS戦略など奏効

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特集/オーラルケア——SNS戦略など奏効

伸びる洗口液、更なる拡大見込む

ハミガキは成長率やや鈍化傾向

350円以上の構成比高まるハブラシ

 

 日用品分野において圧倒的なプレゼンスを誇るオーラルケア市場だが、ここにきて伸長率にやや鈍化傾向も見られ始めた。成長の踊り場と見るか飛躍への助走と見るか。直近の動向とカテゴリーの動きを追った。

 《ハミガキ》

 2017年の市場規模は1000億円規模に到達したと推計されている。前年比約1%増と一定の成長を見せたものの、過去5年間(13年〜17年)の平均成長率が3%程度だったことと比べると鈍化傾向にある。要因は数量減少と単価上昇のバランスの変化に尽きる。また、13年と17年の数字を比較すると、一人当たりの購入数量は約2%増加、購入金額は約9%増加。1本当たりの平均単価も約20〜21円増加しているものの、購入者数が約4%減少しており、数量の減少分を単価上昇分が下支えした格好になっている。今春は新たな切り口の高付加価値品も投入されており、今後の動きに注目が集まる。構成比では歯槽膿漏予防の伸びが顕著。金額ベースで初めてむし歯予防を抜き、活性化の様相を呈している。

 《ハブラシ》

 市場規模は約600億円前後と目され、前年とほぼ同水準の実績にとどまった。そうした中でも「幅広ヘッド」は堅調でシェア12%を超過し、関係者は「今年中の15%達成」を見込む。一方でコンパクトタイプの需要も高く各社の新製品投入も相次いでいる。

 1本当たりの平均単価はこの5年で7円ほど上昇して147円前後となった。価格を重視する層が一定数を占める中、構成比で「350円以上」が5・9%から6・3%に伸びており二極化も進行。機能性や使用感のたゆまぬ進化がロイヤルユーザー化の鍵と言える。

 《洗口液》《デンタル用品》

 洗口液市場は約360億円で3%程度の成長を示している。使用率の上昇による数量増が市場拡大に貢献しており、関係者は「まだ使用率が低いカテゴリーで伸びしろがある」とし、メーカー各社は特に使用率の低い若年層へのアプローチを加速させている。昨年はライオン「NONIO」が市場を席巻しており、ターゲットを絞り込んだSNS戦略なども次なるヒットの起爆剤となりそうだ。

 歯間クリーナーの過去5年(13年〜17年)の平均成長率は7〜8%ほど。歯間ブラシやデンタルフロスを併用する人の割合も3割を超過しており、オーラルケア意識の高まりをいかに実売に結びつけるか、差別化戦略の重要性も増大している。
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