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メイク市場--“ナチュラル”主役に成長継続【アイスタイル・リサーチプランナーに聞く】

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メイク市場--“ナチュラル”主役に成長継続【アイスタイル・リサーチプランナーに聞く】

リップ堅調、アイメイク復調傾向に

 経済産業省の出荷統計によると、2018年1〜4月の「仕上げ用化粧品」のカテゴリーは前年比で2・8%増と好調な推移を見せている。“ナチュラル”がトレンドの中、各カテゴリーから様々なアイテムが誕生しており、今後も拡大傾向が見込まれている。アイスタイルのリサーチプランナーとして美容市場の動向を考査する西原羽衣子氏と原田彩子氏に、口コミサイト「アットコスメ」の視点を交えて、メイクアイテムの今について聞いた。

 ベースメイク市場の2018年度の売上規模は、前年比5・0%増の3329億円と予測されている(富士経済調べ)。インバウンド需要の取り込みに加え、リキッドやパウダーなど、各剤型において、昨今のトレンドである“ナチュラル”な肌を実現するアイテムの活況がその好調さを支える一つの要因となっているようだ。

 「生活者の意識としては、引き続き“頑張り過ぎない”や“抜け感をつくる”ことなどがポイントになっています。メイク市場自体は盛り上がってはいますが、ここ数年、すっぴんに近い素肌訴求の流れが続いており、ベースを顔一面に塗るようなメイクは頑張り過ぎ感が出てしまうため、コンシーラーやハイライトを使いこなす部位別のポイントメイクが今の生活者の気分なのかな、と感じています。最近、パウダーの手軽さとリキッドの落ちにくさやツヤ感を叶える剤型として、ジェルタイプが伸びていますが、その進化版として形状変化タイプが出てきたのが面白いですね。塗布した後にリキッドがパウダーに変化するというような訴求のものが出てきており、これは今後増えてくるのではないでしょうか」(西原氏)。

 ポイントメイク市場の18年度の売上規模は、5・6%増の2685億円と、こちらも大幅な伸長が見込まれている。若年層のコミュニケーション手段であるSNSなどのデジタルツールを活用した販促が奏功し、特にリップカラーカテゴリーでのティントアイテムを中心に、百貨店ブランド、セルフブランドでヒット商品が数多く見られた。

 「先日、アットコスメでは新作コスメを対象にした上半期新作ベストコスメを発表しましたが、今回はメイクアップカテゴリーアイテムの新作が多かったです。同期間にアットコスメに新しく登録されたメイクアイテムは2011年と比較すると、約2倍となっており、選択肢が非常に増えています。生活者にとって、良く言えば豊富、逆に言えば選択が困難というのが現状です」(西原氏)。

 一方で、17年のアットコスメベストコスメアワードで、「オペラリップティント」(イミュ)が総合大賞を受賞するなど、リップカテゴリーは引き続き注目を集めている。

 「一時の赤リップのようなはっきりした発色から、どんどんラフになっています。“つくり込んでいないけど、いかに可愛い感じが出せるか”というところが人気の理由の一つ。例えばコーセーの『ヴィセリシェクリスタルデュオリップスティック』は、クリア層とカラー層の2層で中央部にのみ色味がついているため、かなりラフに塗ってもはみ出したりせず、自然なグラデーションが描けます。力の入っていない今っぽさと、鏡を見なくてもメイク直しやメイクができるという簡便性との両立が受け入れられているのかなと感じています」(原田氏)

 18年の同アワードの上半期新作ベストコスメでは、アイカテゴリーから「デジャヴュラスティンファインaクリームペンシル」(イミュ)が大賞に輝いたことに加えて、8月にはメイベリンニューヨークから自然な仕上がりを実現するマスカラ「スナップスカラ」が発売されるなど、ナチュラルメイクを叶えるアイテムが目立っている。

 「今までのように“すごく盛る”メイクではなく、ナチュラルに綺麗に見せる、色味で少しだけ遊ぶといった流れがきているようです。今回、大賞を受賞した商品は、こうしたトレンドを表していると感じています。施策においても、一般発売の前に先行発売した他、販売チャネルや販売店なども限定的に展開するなど、販促をうまく行っている印象です。口紅の注目度が高い一方で、アイメイクはその影に隠れてこれまで下降傾向だったんですね。そうした中、口紅以外の商品が4年ぶりの受賞となったことで、V字回復とまではいきませんが、注目度の高まりを感じます」(原田氏)


研究や技術に加え、重要なのは「アイデア」
 

 また、17年はアイシャドウの需要も高まった。18年度の市場規模は、4・4%増の407億円の見込み。シングルアイシャドウの人気に伴い、カラーバリエーションが増加傾向にあり、ナチュラルがトレンドの中、色や質感を楽しむ人も増えている。

 「アイメイクでは、シンプルながら個性が出せるカラーバリエーションが支持されています。マスカラやアイライナーなどにおいても、黒やブラウンの中にも様々な色合いがあるというような商品が増えていて、生活者の選択肢の幅も広がっています。今の若年層は、SNSやコミュニティーを大事にする傾向が非常に強く、“周囲から浮きたくないけれど、人と同じは嫌”といった絶妙な心理に沿う商品が、支持されていると感じます。また、パーソナルカラーの“イエベ・ブルベ”といったワードがとても伸びているのも特徴です。チークやアイシャドウなど、自分に似合う色を選びたいというニーズが増えているようです。ベースも含めて、色選びの一つの指針になっていると思いますし、これを生活者に示してあげている企業や店頭はとても重宝されているのではないでしょうか」(原田氏)。

 トレンドの変化が早いメイクに関しては、新たなアイテムやメイク法などの情報に対するニーズが高く、商品には効率性や利便性なども求められる。多くのメーカーでは、デジタルを中心にインフルエンサーを起用するなど、小回りの利くデジタル施策を始め、これまで以上の細やかな施策を展開している。

 「すごく綺麗に仕上がるけれど、ものすごく使いにくいような商品はもう受け入れられない時代になっていくのかなと思います。それは単に研究とか技術とかそうしたものだけではなくて、アイデアとか視点を変えることで解決するのかもしれないですし、今まで生活者が諦めていた部分に対してのソリューションが今後更に出てくるのではないかと期待しています」(西原氏)。

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