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【特別インタビュー】在上海日本国総領事/片山和之氏「日中ビジネスの未来のために」

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【特別インタビュー】在上海日本国総領事/片山和之氏「日中ビジネスの未来のために」

相互に利益ある関係を今後どう築いていくか

 

 近年、化粧品や日用品といった生活に欠かせない製品群の輸出入が拡大傾向にある。そうした分野を通じた日中関係は今後、どういう方向に向かうのか。先日、上海市内において日本を主賓国として開催された中国美容博覧会の会場に足を運んだ片山和之 在上海日本国総領事に話を聞いた。

 —現在、化粧品や日用品などを通じた日中間の交流は非常に深まっていると言えます。暮らしに密着した分野でのこうした動きについて、どのように見ていらっしゃいますか。

 2012年の尖閣諸島問題で日中関係が厳しくなったところから、最近は関係が改善している。先ごろ訪日した李克強総理は「日中関係は正常に戻った」と語り、また年内に安倍晋三総理の訪中を正式に招請。更には習近平国家主席の公式訪日も期待されるなど、日中関係は全体として非常に良い方向にある。

 現在、日本を訪問する人の4分の1は中国人で、昨年は736万人を数えた。ちなみに在上海総領事館では、全世界の在外公館が発給するビザの3分の1を発給している。それほど多くの人たちが日本に行く中で、日本の商品は品質が良く、安心・安全であるという印象を持たれている。化粧品・日用品も例外ではなく、以前から人気はあったと思うが、最近は旅行者の消費額の中でも化粧品が最も多いという統計もあり、今回の展示会などを通じて中国の関係者に日本の化粧品の良さを理解してもらい、ひいては日本の良さをわかってもらえるというのはありがたいことだと思う。

 中国自体は大きな貿易黒字を抱えており、均衡のために輸入品を増やしていくという国策もあり、日本の化粧品・日用品が中国で販路を拡大する好機ではないかと感じている。韓国の化粧品が安価で手頃ということで人気だったが、より高付加価値な日本の製品は、特に上海など所得水準が上がっている地域ではニーズが高まっているように思う。日本企業には、そうした良い条件をぜひ活用していただきたいし、こうした展示会は有効なプロモーションの機会になるのではないか。


 —日本には中国に進出していない化粧品・日用品企業もまだ多いようですが。

 いずれの産業も同じだが、人口減少が進む中で、国内市場だけに頼っていけばジリ貧になりかねない。そこで海外に打って出ようという場合、規模が大きく、最も近くにあり、重視すべきは中国市場ではないかと思う。過去にはトラブルも報告されているが、中国自身がWTOに加盟し、国際経済の主要なプレーヤーとして、自分たちのブランドも構築していこうとする中で、昔とは違って法律や条約、規定に基づいてビジネスを行っていくことがどんどん増えている。

 現在、上海市だけでも1万社を超える日本企業が拠点を設け、在上海総領事館管轄内の4省(江蘇省,浙江省,安徽省,江西省)まで含めれば2万社以上にのぼる。それ自体が中国市場を無視できないということを示していると言える。

 —日中間で拡大する貿易、現在のいい流れを継続していくためには、何が必要だと思われますか。

 もちろん、国と国の関係が不安定になれば経済にも暗い影を落としてしまうため、そこは政府間でしっかりがんばっていくことになるし、それが大前提なのは間違いない。

 現在、日中間の人的交流は年間1000万人を数える。相手国が好きか嫌いかということとは別次元で、運命共同体のように経済関係が成りつつあるという現実から、いかに相互に利益ある関係を築いていくか。そうした視点で中国とのビジネスを考えていくことだろう。

 中小企業の中には中国ビジネスについて経験が不足していたり、不安があったりする場合もあろうかと思う。そうした場合、上海の総領事館、JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)上海事務所、日中経済協会上海事務所などに相談していただきたい。中国では大使館、総領事館の役割は欧米以上に大きいと思うので、協力できる部分はできるだけしていきたい。また、ここには世界最大規模の上海日本商工倶楽部があり、2400社ほどの加盟社があり、横のネットワークにより各社の知見や経験を共有できる部分もあるかと思う。

 日本にとって中国との経済関係は、もはやなくてはならないものになっており、そうした認識で化粧品・日用品のビジネスも展開していただければと思う。何より、歴史的、地理的な近接性があり、民族的に肌や髪の質も似ているところがあり、日本の製品でダイレクトに通用するものも多いのではないか。そうした優位性をぜひ発揮していただきたい。

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